連用接続「て」「で」の使い方 / 日本語の語尾
「〜て」で終わることが多くて。
普段おしゃべりをしていたり、漫画のセリフを考えていたりする時、ある事に気付かないだろうか?
「〜て。」で終わる言葉が、なんか知らんが多い。
「〜て」は接続詞で「ああやってこうやってそうやって」というように物事が順番に起きていく事を表す。
(動詞によっては「〜で」という形にもなる)
おしゃべりというのは、どこで終わりになるのか分からない物。
この後文章が続かないかもしれないけど、続くかもしれないから、とりあえず「〜て」という接続詞が出て来るんだ。以上。
「〜て」の会話文例(1)
「おはよう。」
「おはよう。いやぁ、昨日から寒くて寒くて」
「そういえば、最近朝早いね。」
「うん。電車に間に合うのがギリギリな事が多くて、」
「あ、そうだ、途中で郵便局に用事があって…あ、いけない、急がなきゃ。じゃ。」
「じゃ。」
逆に、普段のおしゃべりで終止形を使うのは「あのお店行った?」「行ったよ。」という質問のやりとりをする場合など、会話のキャッチボールが発生するポイントで。
質問と回答には明確なピリオドがあるからだ。
それ以外のぺらぺらしゃべってる部分では「〜して」「〜してさ」「〜してね」などの接続形あるいは体言止めになるのが、むしろ標準だと言える。
私に言わせたら、外国人男性インタビューの日本語訳も不自然。「よ」と「んだ」が多すぎる。
終助詞の働きを知らないのもさることながら、日本語会話のこういった特性を全く理解していなくて強引に終止形を使おうとしているからだ。
理由を話す時の「〜て。」
よくあるパターンとしては、理由を話す時に、結論まで話すとダブってしまう場合、次のように言う。
「〜て」の会話文例(2)
- 「なんでこぼしたの?」「持ち上げたら取っ手が壊れちゃって。」
韓国語でもこういう時によく「〜서 그래.」と言う。
このように日常会話で理由を話す時は習慣的に「〜て」を使う事が多いが、もちろん「〜から」もよく使う。
使い分けは英語の because と so と似たような物で、理由に焦点を当てる場合は「から」を使う。
裏技
動詞否定形の接続には「〜ないで」と「〜なくて」の2通りがある。
文例
- まだ食べ始めないで待っていようね。
- 動作を表す時は、ふつうに動詞の否定形で「〜ないで」とする
- 何も食べないで出掛けた。
- 昨日から何も食べなくて心配。
- 原因や状態を表す時は、形容詞の否定形で「〜なくて」とする
形容詞の連用形接続で、例えば「おおきくて」が「おおきくって」となる事もある。
これはしゃべり方に抑揚を与えるだけの物で、意味は変わらない。
参考: にほんごの本
「〜て」と「〜で」のどちらを使うのか、という文法事項については こちらのページ の後半に挙げている。