日本語のアクセントを法則で覚える

包括的なアクセント辞典は既存の物があるので、このページでは「できるだけ法則性を示す事」と「意味の区別に関わる物」にだけ焦点を当てる。
時代や地域によって変わってしまいやすい所なので、どこまでルール化できる物なのか不透明だし、全ての単語に対してアクセントがキッチリ決まってるわけではない。
頭・中・尻のどちらにアクセントが有るかだけ注意すれば良く、「何文字目でアクセントが変わるか」というルールは実際の会話ではほとんど意味がない。

助詞のアクセントについて

単語のアクセントの決まり方にはほとんど法則性が無い。
しかし単語そのもののアクセントが分かれば、後に続く助詞のアクセントは一意に定まる。
ドイツ語の名詞は「定冠詞と一緒に覚えろ」と言われるが、日本語の名詞は「助詞と一緒に覚えろ」という所だろうか。
助詞のアクセントの観点から考えると大きく3つに分けられるが、この分類名はウチのサイトの独自用語なので、ご了承ください。

しっぽ振り型名詞

いわゆる「頭高型」および「中高型」。
コを /
ラスを / ラス
ンを / フ
二拍以上で、末尾が下がり調子になる名詞すべて。
この名詞の後にくっつく助詞にはアクセントの決まりが無い。
特に何もなければ助詞を低い音でしゃべるが、ハッキリしゃべりたい時など話し手の気分によっては助詞が高い音にもなる。

強制尻上がり型名詞

いわゆる「平板型」。
カナを / トリを / 気
一拍の低い音になる名詞の全て。
二拍の上がり調子になる名詞の半数。
三拍以上の上がり調子になる名詞のほとんど。
この名詞の後にくっつく助詞は必ず高い音になる。

強制尻下がり型名詞

いわゆる「尾高型」。
を /
を / イヌの
タマを / アタマの
一拍の高い音になる名詞の全て。
二拍の上がり調子になる名詞の半数。
三拍以上の上がり調子になる名詞の一部。
この名詞の後にくっつく助詞は必ず低い音になる。
(ただし「二拍以上の上がり調子になる名詞 + の」と言う時の「の」は高い音)
疑問のイントネーションを与える場合「イあ?」のように、一度低い音に落ちた後で尻上がりにする。

複合名詞

元々の単語のアクセントがどうであるかに関わらず、少なくとも次の法則は成り立つ。
これ以外については、あんまり法則性を見出せない。

コ + ミ → ネコミミを
気 + はす → キバラシを
火 + あそぶ → ヒソビを
全体が四拍以下の場合、尻上がりの物が目立つ。
どちらかと言うと尻上がりが多い…というだけであり、絶対ではない。
これは熟語との境目が曖昧であるためで、たとえば「ごはん」「火鉢」などのような境目の曖昧化した熟語は複合名詞として扱わない。

ゴク + ミ → ジゴクミミを
コ + ムスメ → ネコムスメを
キャンセル + つ → キャンセル待ちを
く + まちがう → かきまちがいを
全体が五拍以上の場合は、尻下がりの物が目立つが、これも絶対ではない。
二拍の動詞連用形を後ろにくっつける場合は、逆に尻上がりが目立つ。

あとは「○○式」「○○部」みたいな、最後に漢字一文字をくっつけるタイプは○○が何だろうと同じアクセントになる。

モノ + カリ → イキモノガカリを
また、後の名詞の頭文字が濁音化可能なら濁音化させるのが原則だ。
ただし「風邪ひき」「嘘つき」「ちりとり」のように「目的語+述語」という関係を残したい時は、あえて濁音化させず、そのままくっつける。

…という様子だけれど「新旧対照表」「出典不明」 「佐藤氏」など、単語ごとに区切らないと意味の通じにくい物には「複合名詞アクセント」が適用されない。

「作る」と「変える」を組み合わせた「作り変える」など、複合動詞のアクセントはひとつのパターンしかなく、最初の拍と最後の拍が低い音になる。
中央部分のアクセントにはかなり個人差が見られるため、詳しい説明は割愛する。

動詞と形容詞のアクセント

動詞や形容詞は、その後にくっつく助詞のアクセントに全く影響を及ぼさない。
動詞も形容詞も、三拍以上なら原則として最初が低い音になる(最初が高い音になる方言もある)。
簡単に、尻上がりと尻下がりの2通りだけに分類しちゃってもいい。

尻上がり

/ あつい / あがる / はじまる

尻下がり

い / る / あい / さる / たすけ


三拍以上の動詞で「える」のように頭が高い音になる物はごくわずかしかない。
以下、このサイト の「動詞すべて・頭高型・3モーラ以上」による検索結果。

頭上がりの動詞

返す、帰す、返る、帰る、通す、通る、入る、申す、相次ぐ

頭が高い音になる形容詞は「いい」「よい」「こい」「ない」の4つしか無い。
形容詞の場合は語尾が尻下がりになる物ばっかりで、尻上がりのイントネーションになる形容詞は例外的にほんのちょっとだけある。
具体的には このサイト の「い形容詞・平板型」による検索結果を見ると分かるが、これもそんなに多くない。

尻上がりの形容詞

赤い、浅い、厚い、甘い、あらい、薄い、遅い、重い、かたい、軽い、きつい、暗い、遠い、眠い、丸い、四角い、明るい、危うい、怪しい、おいしい、悲しい、黄色い、茶色い、冷たい、平たい、やさしい、難しい、足りない
唯一注意すべき単語は、下がり口調の「熱い」「暑い」、および、上がり口調の「厚い」。
それ以外の形容詞には同音異義語が無かったりするので、上記のような形容詞であっても、会話ではしばしば尻下がりで発音してしまう事も少なくない。

三拍以上で尾高型の名詞

三拍以上で尻上がりの名詞はほとんど、助詞も高い音になるので、
「アタマを」「ココロを」のようなアクセントの名詞はごくわずかのはずである。
このサイト の「名詞・尾高型・3モーラ以上」による検索結果を見てみると、これぐらいあるようだ。

相手を、足場を、明日を、頭を、一度に、いびきを、男を、表を、女を、鏡を、刀を、心を、言葉を、刺身を、寒気が、座敷を、四角を、尻尾を、地獄を、宝を、力を、手元に、峠を、豆腐を、遠くを、通りを、道具を、仲間を、名残を、はかりを、吐き気を、はさみを、柱を、花見を、はんこを、表紙を、昼間に、袋を、返事を、便所を、真上を、真下を、皆を、娘を、役所を、役場を、役目を、屋敷を、ゆうべを、ゆのみを、夜中を、礼儀を、
妹を、弟を、正月を、半年に、一日で、もちつきを、
ふたつを、みっつを、よっつを、むっつを、やっつを、ふたりを
あっちを、こっちを、そっちを、
○○書を、○○署を、○○所を

動詞の連用形から出来た名詞

尻下がりの動詞に由来する三拍名詞は基本的には"尾高型"になると思っていいが、"中高型"および"頭高型"になる例も存在する。
"平板型"になる物は非常に少ない。つまり、助詞が高い音になるのは少ない。
尾高型の例)はす -> はなしを、はく -> はたきを、ひく -> ひびきを、
える -> かえりが、たすける -> たすけを、、、ほか多数
中高型の例)おう -> おいを、にう -> にいを、こたえる -> こえを、てつだう -> てつだいを、かんがえる -> かんがえを
頭高型の例)こむ -> のみを、たる -> よりに
平板型の例)しるしを、いやしを、ほこりを、きがえを、しあげを、しつけを、めざめを
アクセントの変わってしまったスラングもある。ただしこれは特例。
(元々の動詞)で
(一般的な意味で)でいを
(恋愛沙汰の意味で)であいを


尻上がりの動詞に由来する三拍名詞は"平板型"になる傾向が非常に強い。
例)ちがう -> ちがいを、かざる -> かざりを、、、ほか多数


その他、動詞から生まれた四拍以上の名詞も"平板型"になる物が非常に多い。
例)かがやく -> かがやきを、つながる -> つながりを、、、ほか多数
例外)たのしむ -> たのしみに

活用形のおさらい

これから動詞の同音異義語や、活用形のアクセントを考えるにあたって、ちょこっと文法のおさらいをしよう。

過去形や連用形について

過去形や連用形の語末は、例外なく末尾のひらがな一文字によって決まる。
五段活用の場合は次のように音便化するが、それも末尾のひらがな一文字だけで判断していい。
末尾の1文字を取って、代わりに2文字を付ける、という考え方でもいい。
過去形連用形
ったって
いたいて
いだいで
したして
ったって
んだんで
んだんで
んだんで
ったって
ごくわずかに「行く、行った、行って」とパターンの外れる単語もあるが、変化表を単語ごとに覚える必要はほとんど無い。
一段活用の場合は単純に語末の「る」を「た」「て」に付け替えるだけ。

活用形の見分け方

不規則変化は「来る」「する」「行く」の3つだけだと思っていい。
(「問う」「請う」は近代語の残りカスみたいな単語で、決まり文句でしか使わないからあまり重要ではない)

語末が /iru/ /eru/ 以外である動詞はすべて五段活用になる。
語末が /iru/ /eru/ である動詞は五段活用と一段活用の2通りがありえる。
二拍の動詞については個別に覚えるとして、三拍以上で語末が /iru/ /eru/ の動詞は一段活用ばっかりなので次の動詞を例外として覚えるのもひとつの方法だ。

よく使う五段活用動詞

おちいる、かぎる、ちぎる、にぎる、さえぎる、いじる、かじる、けちる、ねじる、はしる、まいる、まじる
◯切る、◯◯入る、◯◯切る、◯◯知る、◯◯散る、
あせる、帰る、返る、湿る、しゃべる、すべる、つねる、ひねる

たまに使う五段活用動詞

まいる、たぎる、みなぎる、よぎる、きしる、そしる、ののしる、むしる、なじる、ほじる、よじる、いたびる、いびる、ちびる、なぎる、みなぎる、もじる、よぎる、踏みにじる、滅入る
うねる、おもねる、かげる、くねる、しげる、そべる、だべる、ぬめる、ふける(耽る)、ほてる、はべる
(俗語)イキる、とちる、ビビる
否定形の語尾が「らない」になれば五段活用、連用形が「って」と促音になれば五段活用、意向形の語尾が「よう」になれば一段活用……など、覚え方は各自に任せる。
(「上一段」と「下一段」は実質的に同じだから、区別しなくてもいい)

活用表

あえて同音異義語で見比べてみよう。
たとえば「切る」が五段活用、「着る」が一段活用だ。
紙を服を
否定形きらない kir-ana-iきない ki-na-i
過去形きった ki-ttaきた ki-ta
連用形(口語)きって ki-tteきて ki-te
連用形(文語)きり kir-iki
終止形 / 連体形きる kir-uきる ki-ru
仮定形きれば kir-ebaきれば ki-reba
命令形きれ kir-eきろ ki-ro
意向形きろう kir-ouきよう ki-you
一段活用だと母音変化や音便化が全く無くて、ただ切ってつなげるだけという単純な活用になっている…という事に気づいてほしい。

否定形の語尾「ない」は形容詞として活用させる。
形容詞の活用も、切ってつなげるパターンひとつしかない。
紙を服を
二重否定形きらなくない kir-ana-kuna-iきなくない ki-na-kuna-i
過去否定きらなかった kir-ana-kattaきなかった ki-na-katta
否定連用(動詞型)きらないで kir-ana-ideきないで ki-na-ide
否定連用(形容詞型)きらなくて kir-ana-kuteきなくて ki-na-kute
否定の仮定きらなければ kir-ana-kerebaきなければ ki-na-kereba

以下の表では可能・受身・使役の語尾を付けた物を示す。
(「きらす」以外は)全て下一段活用になっているので、例えば否定形にしたければ末尾の「る」と「ない」を付け替えるだけでいい。
紙を服を
可能きれる kir-e-ruきられる ki-rare-ru
きれる ki-re-ru
受身形きられる kir-are-ruきられる ki-rare-ru
使役形きらせる kir-ase-ruきさせる ki-sase-ru
使役+受身きらせられる kir-ase-rare-ruきさせられる ki-sase-rare-ru
使役+可能きらせられる kir-ase-rare-ru
きらせれる kir-ase-re-ru
きさせられる ki-sase-rare-ru
きさせれる ki-sase-re-ru
使役形の別形* きらす kir-as-uきせる ki-se-ru
使役形の別形+可能きらせる kir-as-e-ruきせられる ki-se-rare-ru
きせれる ki-se-re-ru
使役形の別形+受身きらされる kir-as-are-ruきせられる ki-se-rare-ru
使役形の別形+使役きらさせる kir-as-ase-ruきせさせる ki-se-sare-ru
「糸が切れる」などのような自動詞の中には、他動詞の可能形に由来する物もある。

ここで表に載せた「使役形の別形」については、こういう形の存在しない動詞には使うことができない。
「五段活用の語幹+asu」は近代日本語の中に現れる形で、現代語の中にも一部残存している物がある。
「切らす」自体はあんまり使わなそうな動詞だけど、「切らされる」の文法を理解する上では重要。
「着せる」「見せる」など「一段活用の語幹+せる」については実際は独立した単語として見るべきで、今回はたまたま有ったから表に載せたけど、こういう形の動詞はあんまり無い。

ここでちょっと危険なのは、使役形の後に受身形や可能形を組み合わせたりする表現。
これは生粋のネイティブですら大混乱する物なので、決まり文句以外では使わない事を推奨する。
どうしてもそういう組み合わせ表現が必要なら「〜ように言う」「〜ことができる」などを使って言い換えることもできる。

一段活用の可能表現は、日常会話では「食べられる」でも「食べれる」でも、どっちでもいい。
ただし文章語やformalな表現としては、依然として「食べられる」の方が好まれるようだ。

五段活用の「行かれる」を可能表現として用いる例もあるらしいが、これは古い言葉が例外的に残っている物かと思う。現代標準語としては普通は「行ける」という表現でいい。
「違くない」は本来動詞であるにも関わらず、あたかも形容詞のように活用しているスラングである。

ついでだから変格活用2つも見てみようか。
よく見れば一段活用をベースとしているよね。
勉強を学校に
否定形しない si-na-iこない ko-na-i
過去形した si-taきた ki-ta
連用形(口語)して si-teきて ki-te
連用形(文語)siki
終止形 / 連体形する su-ruくる ku-ru
仮定形すれば su-rebaくれば ku-reba
命令形しろ si-roこい koi
意向形しよう si-youこよう ko-you
二重否定形しなくない si-na-kuna-iこなくない ko-na-kuna-i
過去否定しなかった si-na-kattaこなかった ko-na-katta
否定連用(動詞型)しないで si-na-ideこないで ko-na-ide
否定連用(形容詞型)しなくて si-na-kuteこなくて ko-na-kute
否定の仮定しなければ si-na-kerebaこなければ ko-na-kereba
可能できる deki-ruこられる ko-rare-ru
これる ko-re-ru
受身形される sare-ruこられる ko-rare-ru
使役形させる sase-ruこさせる ko-sase-ru
使役+受身させられる sase-rare-ruこさせられる ko-sase-rare-ru
使役+可能させられる sase-rare-ru
させれる sase-re-ru
こさせられる ko-sase-rare-ru
こさせれる ko-sase-re-ru

「カエル」の同音異義語

エル蛙が鳴く名詞尻上がり後につながる助詞も高い音になる(平板型)。
エル家に帰る五段活用の動詞尻下がり三拍だけど頭が高い音になる珍しい動詞。
エルやり方を変える一段活用の動詞尻上がり
エル100円で買える一段活用の動詞尻上がり元々の動詞「買う」は尻上がりの五段活用。
可能形では必ず一段活用になるが、アクセントは元の動詞と同じになる。
飼える一段活用の動詞尻下がり元々の動詞「飼う」は尻下がりの五段活用。
可能形では必ず一段活用になるが、アクセントは元の動詞と同じになる。
ただし通常は一拍目は低い音になる。
「やり方を変える」と「100円で買える」は互いに同じ「尻上がりの一段活用」だ…という事は、どちらも活用と発音がまったく同じになる事を意味する。
これに対して「家に帰る」は「尻下がりの五段活用」なので、実は発音上100%区別可能という事になる。

活用形どうしのぶつかり方

アクセントによる区別とも関係してくるから、ちょっと確認してみよう。
こうやって動詞の形が同じになっちゃうのは、あれだね、スペイン語とかでもよくあるね。

五段活用で末尾が「る」「つ」「う」の動詞は、過去形・連用形で同音異義語が生じる。
以下、尻上がりの動詞にはベトナム風に~印を付ける。

※「要る」という動詞については、テ形の連用形や過去形など、使われない活用形があることに注意。

活用語尾の原形が /eru/ で終わる動詞は、他の動詞の可能形とぶつかる事がある。


活用語尾の原形が /aru/ で終わる動詞の可能形は、他の動詞の受身形とぶつかる事がたまにある。

「光る」「困る」のような状態を表す動詞を可能形「光れる」「困れる」にする意味はあんまり無い。
「わかる」などのように、可能形・受身形が全く使われない動詞もある。
なので、そういう変形については考えなくてもいいと思う。

活用語尾の原形が /asu/ で終わる動詞の可能形は、他の動詞の使役形とぶつかる事がたまにある。

自動詞「かわく」の使役形「かわかせる」と、他動詞「かわかす」の可能形「かわかせる」は同じ形になる。
しかし、自動詞の使役形と他動詞の可能形とは、結局どちらも同じ状況である…ような気もする。


活用語尾の原形が /areru/ で終わる動詞は、他の動詞の可能形や受身形とぶつかる事が、ごくまれにある。


活用語尾の原形が /ou/ で終わる動詞は、他の動詞の意向形とぶつかる事が、ごくまれにある。

※意向形の語尾は必ず下り口調になる。

願望表現で、五段活用動詞と一段活用動詞とでぶつかる物が、ごくまれにある。

※「〜たい」の語尾が下がるか上がるかは、元々の動詞のアクセントどおり。

過去形と語尾表現「〜んだ」とでぶつかってしまうパターンは、あんまり無さそうだ。

形容詞の活用形のアクセント

形容詞には同音異義語がほぼ無いため、実際の会話ではアクセントの決まりが比較的ゆるい。
また、相手の注意を引く場合は最後の拍でもう一度高い音になることがある。

尻下がりの場合

尻上がりの場合

動詞の活用形のアクセント

どんな変化形になっても元々のアクセントをできるだけ維持しようとする傾向がある。
これについても、相手の注意を引く場合は最後の拍でもう一度高い音になることがある。

尻下がりの五段活用の場合

尻下がりの一段活用の場合

↑このパターンの連用形・過去形は例外的な匂いがするけど、分類に関しては「尻下がりの一段活用」という決まりがあるので大丈夫だ。
四拍以上の場合を参考として挙げると「かなえる」「かえた」「たずさえる」「たずさえた」…というように、とにかく語幹の最後から二番目で高い音が終了する。
(「て」「た」の2つ前にアクセントの核がある、という見方もできる)

尻上がりの場合

頭上がりの場合

一拍名詞

以下、アクセントの違いはテーブルの列で分ける。
あがる↗︎さがる↘︎
胃を痛める意を決する / 異を唱える
鵜を飼う
絵を描く
尾を振る
蚊を見つける課を訪ねる
気をつける木を植える
句を詠む苦になる / 区を訪ねる
毛を抜く
子を持つ弧を描く / 個を重んじる
具を乗せる
五を選ぶ
差を縮める
詩を読む死を迎える / 師を仰ぐ / 市を訪ねる
素が出る酢を混ぜる / 巣に入る
背を向ける
座を奪う
痔を治す字を書く
図を描く
しゃ社を訪ねる
しょ書を楽しむ / 署を訪ねる
血を止める地を這う / 知を深める
手をあげる
戸を開ける都を訪ねる
度を越す
名を連ねる
二を選ぶ
葉を落とす歯を磨く / 刃を研ぐ
日が昇る / 碑を建てる火をつける / 非を認める
負をもたらす / 府を訪ねる
屁をこく
場を設ける
美を求める
部を訪ねる
実がなる / 身を隠す
無に帰す
目をつぶる / 芽を出す
矢を射る
夜を徹する / 世を知る
輪になる / 和を重んじる

二拍名詞

アクセントにこだわりたい人のために「NHK日本語発音アクセント新辞典」という本も売られているし、オンラインのアクセント辞書もある。
こういうサイトも有ったりするね。
ここではアクセントによって意味が変わり得る単語だけを載せて、あとは全部省略する。
本当のところ、同じ地域に住んでいても個人差が大きい。

あ行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
あか赤で塗る垢を落とす
あき秋になる空きがある
あく悪を討つ灰汁を取る
あさ朝になる麻を編む
あし葦が育つ足を伸ばす
あじ鯵が泳ぐ味を見る
あめ雨が降る飴をなめる
あり有りだ蟻がいる
あわ粟を植える泡が立つ
いか以下を参照イカが泳ぐ
いき息を吐く行きは快速 / 生きが良い
いし意思を示す / 医師を志す石を拾う
いじ体力の維持を意地を張る
いち位置を確かめる一を選ぶ
いま今が旬だ居間で休む
うき雨季に入る浮きが浮かぶ
うみ海が見える膿を出す
うり瓜を育てるそこが売りだ
※ 金額を言う「○○円」は基本的には尻下がりで良いが、個人差がある。特に「百円」「一万円」は(ある意味、一般名詞に似た扱いである事から)平板型アクセントとして定着している。

か行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
かい貝を拾う / 会に出席 / 次の回に / ○回でいい / 上の階にこれは買いだ / ○階に住む
かき牡蠣を養殖垣を越える柿を食べる
かく核である格が違う
かさ傘を差す嵩が増す
かし歌詞を覚える / 菓子を食べる貸しを返す
かた肩を叩く型が合う
かち価値がある私の勝ちだ
かま鎌で切る釜でごはんを炊く
かみ神に祈る紙を折る / 髪を洗う
かめ亀が歩く甕に入れる
かり狩りをする仮だ / 借りを返す
かん缶を捨てる○○感がある / 勘がいい
きし騎士になる岸を削る
きじ生地をこねる / 記事を書く雉が飛ぶ
きしゃ記者として働く汽車が走る
きみ気味が悪い君に届け / 黄身を食べる
きりきりがない霧がかかる
くし駆使する櫛でとかす / 串を刺す
ここ個々を重んじるここに置く
こと琴を奏でる / 古都を訪ねるいい事がある
きゅう9にする / 級が上がる / 球になる急に動き出す
きょく局を訪ねる曲を聴く
※ 回数を言う「○○回」は原則として中高型アクセントだが、副詞のように用いる時は尻上がりになる。建物の「○○階」は必ず平板型。

さ行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
さけ鮭が泳ぐ酒を飲む
さん酸を中和する三を選ぶ
しそ始祖だ紫蘇を育てる
しろ白で塗る城を建てる
すき好きだ隙がある
すみ隅に寄せる炭を焼く / 墨をつける
せき席に座る咳をする
じき時期を迎える / 磁気を帯びるじきに出来上がる
ぜん前大統領 / 全世界禅を組む
そり橇で滑る反りを直す
じゅん準主役順に始める

た行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
たき多岐にわたる滝がある
たび足袋を履く旅をする
ちり地理を学ぶ塵を吸い込む
つゆ汁を飲む梅雨に入る
てん貂が歩く / 天を仰ぐ点をうつ
とき鴇が飛ぶ時が経つ
とし都市を訪ねる年が明ける
とち栃を植える土地を耕す
※回数を言う時の「1度、2度」は(ある意味、副詞に似た扱いである事から)尾高型アクセントとして定着している。ただし、3度から先、および、温度を言う場合はすべて尻下がりアクセントになる。

な行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
なし無しだ梨を食べる
にじ二時になる虹が出る
にわ二話を読む / 二羽の鳥庭がある
のう脳を鍛える能を演じる
のり海苔を食べる / 糊を塗るノリがいい

は行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
はいはい、そうです。肺で呼吸をする / 灰になる
はし箸で食べる橋を渡る端をつかむ
はじ恥をかく端をつかむ
はち鉢に植える / 八を選ぶ蜂が飛ぶ
はな花が咲く鼻で匂いをかぐ
はり針を刺す張りが弱い
はれ今日は晴れだ腫れがひく
ひび日々を過ごす罅が入る
ひる蛭がいる昼になる
ひょう雹が降る / 豹が走る表にまとめる
ふく福が来る服を着る
ふし不死の薬節がある
ふじ富士の山藤が咲く
ふり不利になるふりをする
へい兵を派遣する塀を越える
へりへりを付ける減りが早い
へん変だその辺にある
ほう山の方を向く法に従う
ばらバラで購入する薔薇を植える

ま行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
みち未知である道を進む
むし無視をする虫がいる
むら村を訪ねる色むらがある
もと元に戻す元をたどる
もも腿を鍛える桃を食べる

や行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
やく約一週間役に立つ
ゆき雪が降る行きは快速
よう鳥の様に自分用に

ら行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
れい例を挙げる / 礼をする / 霊がさまよう礼を言う

わ行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
わし和紙で作る鷲が飛ぶ

二拍の動詞

*印の付いている物は一段活用。
*印の付いていない物は五段活用。
あがる↗︎さがる↘︎同音の平板型↗︎同音の尾高型↗︎↘︎同音の頭高型↘︎
あう人に会う / 形が合う愛(あい)
あく扉が開く相手(あいて)悪(あく)、秋(あき)
あむ毛糸で編む飴(あめ)網(あみ)雨(あめ)
ある何か有る蟻(あり)、あれ
いう何か言う家(いえ)いい
いく遊びに行く池(いけ)息(いき)
いるここに居る* / これが要る矢を射る* / 豆を煎る板(いた)
うく水に浮く受け(うけ)雨季(うき)
うつ釘を打つ家(うち)鬱(うつ)
うむ卵を生む傷口が膿む梅(うめ)有無(うむ)、海(うみ)
うる物を売る瓜(うり)
える利益を得る*絵(え)
おう後を追う / 責任を負う甥(おい)、追っ手(おって)王(おう)
おく物を置く沖(おき)奥(おく)、桶(おけ)
おすボタンを押す雄(おす)
おる紙を折る俺(おれ)檻(おり)
かう物を買う猫を飼う勝手(かって)貝(かい)
かく説得力を欠く字を書く / 背中を掻く格(かく)、柿(かき)賭け(かけ)核(かく)、牡蠣(かき)
かぐ匂いを嗅ぐ鍵(かぎ)家具(かぐ)
かす本を貸す / 暴徒と化す税金を課す枷(かせ)粕(かす)、歌詞(かし)、菓子(かし)
かつ試合に勝つ勝手(かって)糧(かて)カツ、価値(かち)
かむ鼻をかむガムを噛む紙(かみ)、髪(かみ)神(かみ)、亀(かめ)
かる草を刈る仮(かり)、勝手(かって)狩り(かり)、彼(かれ)
きく話を聞く / 薬が効く菊(きく)危機(きき)、機器(きき)
きる服を着る*紙を切る北(きた)
くう燃費を食う悔い(くい)杭(くい)
くむ水を汲む腕を組む
くる遊びに来る*北(きた)恋(こい)、鯉(こい)
けす火を消す芥子(けし)
けるボールを蹴る
こう許しを請う
こぐ舟を漕ぐ焦げ(こげ)
こす限度を超す / 液体を漉す腰(こし)
こむ道が混む米(こめ)
こる肩が凝る
さく花が咲く布を裂く / 時間を割く先(さき)、酒(さけ)柵(さく)鮭(さけ)
さす針を刺す / 指を差す
さる職場を去る猿(さる)
しく布団を敷く式(しき)、四季(しき)
しぬ黴菌が死ぬ
しるわけを知る尻(しり)汁(しる)
すう息を吸う
すく髪を梳く好き(すき)
すむ町に住む / 用事が済む / 水が澄む炭(すみ)隅(すみ)
する勉強をする*マッチを擦る城(しろ)下(した)、舌(した)白(しろ)
そぐやる気を削ぐ
そるひげを剃るそれ橇(そり)
たくごはんを炊く滝(たき)、竹(たけ)
たすお湯を足す
たつ上に立つ / ビルが建つ / 時間が経つ / 関係を断つ竜(たつ)、盾(たて)
ちる花びらが散る塵(ちり)
つく家に着く / 何かが付く / 仕事に就く月(つき)、ツケ
つぐ後を継ぐ / 酒を注ぐ次(つぎ)
つむ石を積む / 花を摘む爪(つめ)罪(つみ)
つる魚を釣る連れ(つれ)鶴(つる)
とう真意を問う塔(とう)
とく問題を解く / 教えを説く得(とく)時(とき)朱鷺(とき)
とぐ包丁を砥ぐ棘(とげ)
とぶ鳥が飛ぶ
とる物を取る鳥(とり)、取手(とって)
だく猫を抱く
だす物を出す出汁(だし)
でる部屋を出る*
どく場所をどく毒(どく)土器(どき)
なく誰かが泣く
なる鈴が鳴る大人になる
にる鍋を煮る* / 人に似る*
ぬう服を縫う鵺(ぬえ)
ぬく棒を抜く
ぬぐ服を脱ぐ
ぬる色を塗る
ねるベッドで寝る*水飴を練るネタ
のくそこをのく軒(のき)
のす皺を熨す
のむ水を飲む蚤(のみ)
のる車に乗る海苔(のり)、糊(のり)
はう地面を這う灰(はい)、蝿(はえ)
はく靴を履くげろを吐く / ほうきで掃く
はぐシールを剥ぐ禿(はげ)
はるシールを貼る / 糸を張る腫れ(はれ)晴れ(はれ)春(はる)
ひく扉を引く
ふく机を拭く息を吹く蕗(ふき)服(ふく)、フケ福(ふく)
ふす地面に伏す節(ふし)
ふむ足で踏む文(ふみ)
ふる棒を振る雨が降る
へる体重が減る歴史を経る*蔕(へた)下手(へた)、縁(へり)
ほす布団を干す星(ほし)
ほる穴を掘る堀(ほり)
ぶつ頭をぶつ斑(ぶち)
ぶるいい人ぶる鰤(ぶり)
まう踊りを舞う前(まえ)
まく糸を巻く種をまく薪(まき)、負け(まけ)幕(まく)、膜(まく)
ます勢いを増す真下(ました)、マス
まつ人を待つ町(まち)松(まつ)
まるうんこをまる丸(まる)、鞠(まり)
みる上を見る*
むく前を向く / 皮を剥く
もつ物を持つ餅(もち)
もむ肩を揉む樅(もみ)
もる土を盛る森(もり)
やく芋を焼く訳(やく)約(やく)
やむ雨が止む心を病む闇(やみ)
やる勉強をやる槍(やり)
ゆうなにか言う髪を結う
よう酒で酔う宵(よい)良い(よい)
よぶ人を呼ぶ予備(よび)
よむ本を読む嫁(よめ)
よる店に寄る / 場合に依る縄を縒る夜(よる)
わくお湯が沸く / 水が湧く枠(わく)、脇(わき)訳(わけ)
わるガラスを割る悪(わる)、我(われ)

三拍動詞の同音異義語

アクセントの違いがある物。
あがる↗︎さがる↘︎
かける歯が欠ける*布団を掛ける*
こえる山を越える*畑が肥える*
うえる木を植える*愛情に飢える*
くわえる砂糖を加える*口に咥える*
うれる本が売れる*果物が熟れる*
しめる布が湿る窓を閉める*
しずめる水に沈める*怒りを鎮める*
つけるソースに漬ける*飾りを付ける*
ならす鈴を鳴らす体を慣らす
まかす相手を負かす仕事を任す
かえる形を変える*家に帰る

アクセントの異なる同音異義語ベストセレクション

既に上の方で紹介した物を除き、本当によく使う物だけを選んで載せていく。
すごく多いというほど多くないかもしれないけどね…実は。
頭高型中高型尾高型平板型
あたりこの辺りにある当たりが出た
あらし嵐が来る荒らしを防ぐ
いいやまあいいや。いいや、違う。
いがいそれ以外には、意外と難しい
いじょうそれ以上ある異常が生じる
いつかいつか行ってみたい5日にする
いっぱい1杯飲むいっぱいある
いない5日以内に届く誰もいない
いらいそれ以来見てない依頼が来る
えんぎ演技がうまい縁起がいい
えんちょう園長さん延長する
かんじ幹事を任される漢字を書く / 感じがいい
きげん期限が近づく機嫌がいい
きのう役に立つ機能昨日は寒かった
けーきケーキを食べる景気がいい
けんとう見当がつく検討する
こうかいあとで後悔する作品を公開する
こうじょう大きな工場がある体力が向上する
こしょう胡椒をかけるパソコンが故障する
さいかい順位は最下位だった営業を再開 / 友人との再会
しかく四角を描く資格が必要
じてん漢字辞典 / その時点では地球の自転
じどう保育園の児童たち自動で開く
しめい使命を全うする / 氏名を記入する議長に指名する
しょうがい生涯にわたり、障害がある
じしんそれ自身自信を持つ / 地震が起きる
そんちょう村長のあいさつ意見を尊重する
でんき電気がつく伝記を読む
ちょうせん朝鮮の焼き物挑戦する
てんしょく天職だと思う転職する
にじゅう数字の20二重に登録されている
にほん2本ある日本に帰る
にんき大統領の任期が長い若者に人気がある
ほそく線を細くする説明を補足する
みかた見方を工夫する味方になる
むこう向こうに見える無効になる
ゆうせん有線でつなぐ優先する
ようじつま楊枝を使う用事で出かける


その他、アクセントで意味が変わり得る単語は次のような物もあるが、ほとんどニュース用語とかフォーマルな表現なので優先度は多少低くしてもいい。
(意見・違憲)(遺体)(以降・移行)(以前・依然)(回避・会費)(開放・介抱)(過程・仮定・家庭)(完成・閑静)(期間・帰還)(企業・起業)(貴重・機長)(究極)(吸収)(器用・起用)(宣誓)(口調・区長)(敬語・警護)(警報・刑法)(剣道・県道)(郊外・公害)(交互・口語)(講師・格子)(後世・公正)(豪勢・合成)(傘下・酸化)(産後・珊瑚)(参考)(歯科)(死骸・市街)(師匠・支障)(竹刀・市内)(勝者・照射)(承知・招致)(象徴・小腸・省庁)(商人・証人・承認)(上部)(書道・初動)(新設)(生死・精子・静止)(西洋・静養)(先代)(銭湯・先頭・戦闘)(増産)(総量・送料)(助詞)(誓い)(地殻)(注視・中止)(動詞)(荷台)(卵子・乱視)(夜間)(明治・明示)(名車)(卑怯・秘境)(不快)(閉店・弊店)(無垢)(慈悲・自費)(晩)(宵)(欲)(訛りが・鉛が)(イクラ)(クラス)


三拍以上の単語では「声調による意味の区別」という役割が薄れてくるけど、それでもあんまりアクセントが違いすぎると聞き取りにくい。
もし分からなければ、まっすぐな音で発音すればだいたい通じるし、とりあえず上がり口調にすれば「まぐれ当たり」を狙いやすい。

参考



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