日本語の語尾「んだよ」の使い方

「〜んだよ」はこうやって使うんだよ。

〜よ。は相手を矢印でプスッと刺すイメージであるのに対して、「〜んだよ」は相手に岩を投げつけるイメージだ。

つまり、「んだ」はその人の抱えている事情を指し示して、それを「分かったかコラ!」と言って投げてよこすんだよ。
…と、このような説明ではキツイ表現であるかのような誤解を与えてしまうので、まじめに丁寧に説明しよう。
冷たい印象を与える声遣いの俳優もけっこういて、そういう人が「〜だよ」って言うとキツく聞こえてしまうのだが…。
だからドラマの印象ばかりに引きずられて優しい・きついを判断しないように注意。

「よ」と「んだよ」の違い(1)

上の例は「今までの話の内容を受ける」パターンだが、次の例は、逆に「これからお話がある」パターン。

「よ」と「んだよ」の違い(2)

訳ありな感じで言う「〜んだよ」

「日本は何々だ」を英語で言う時、そのまんま「Japan is xxx」という文章にすると「ウチの国には無いとでも??」と思われるらしい。
そこは例えば「They ... in Japan」としたり、「There are some...」とか「pretty」など程度を表す単語を挟むと良い。
っていう話が 英語 足を引っ張る9つの習慣(デイビッド・セイン著) で詳しく語られているので、興味のある人はどうぞ。
…それと同じぐらい細かい話ではあるんだが、もう一度「よ」と「んだよ」の比較をしてみたい。
「んだ」は事情を知っている風味を出す、というお話。

「よ」と「んだよ」の違い(3)

ママ会話としての「〜んだよ」

「〜んだ」という言葉は当たり障りない語り口で使いやすいため、親が子どもに教えて聞かせる時には「〜んだよ」が愛用されている。
特に「訳あり」な感じを持たせながら。

落ち込んでる子どもに「んだよ」を使う例

…と、漫画の台詞ばかりでアレだけど、ここは本当、いい台詞なんだよ。

また、語尾の「よ」を上がり口調にすると付加疑問「OK?」のニュアンスが現れる。
上がり口調の「〜んだよ」は、一種の命令表現として使うこともできる。
例えば「早く帰ってくるんだよ。」のように使う。
「早く帰ってきなさい。」と似ているが、「んだよ」を使った場合は早く帰って来るべき理由があるような感じを与える。
命令表現としての「やるんだ!」はあんまり聞かない気がするが「やるんだよ!」なら親子会話としてありふれた言い回しだ。


反抗期みたいに「うっせーんだよ!」という言葉が頭に浮かんでも、ただちに「〜んだよ」をキツイ言葉だと決めつけないように。状況次第だ。
趣味で語学をやっていると、ついつい強烈な例文を挙げて来てしまいがちだけどさ、
まずは落ち着くんだ。もう少しクールダウンしてゆっくりと検証しよう。

認知症のおばあちゃんを題材として扱った絵本「わすれたっていいんだよ」というのが有ったりする。
「〜したって」というのは「〜したとしても」の略で、完了形のニュアンスを帯びる。
「いいよ」ではなく「いいんだよ」と言っているのはなぜか、これは宿題としてみんなに考えてもらおうかなぁ…とも思ったんだけど、さっそく今から考えてみよう。

「んだよ」を付ける意味



▲トップに戻る▲