日本語の語尾「かしら」の使い方

「〜かしら」ってどんな意味だったかしら

エセ女言葉では「〜かな」と同じ意味に流用されているが、現実世界から集めてきた「〜かしら」の文例を検証してみると……どうも「かな」イコール「かしら」ではないようだ。

そもそも「かな」という言葉は確信度がちょうど半分の50%であるという意味合いを持つ事から、たとえば待ち遠しい気持ちを表したりクイズを出したり…といった応用のできる不思議な語尾表現なのである。
一方、「かしら」ではこのような応用が利かない。

「かしら」の場合は確信度80%程度で、英語に訳すなら ought to であり、むしろ「〜だろうか」「〜でしょうか」と同じ意味で考えた方が良いかしらね。
ということで「かな」「だろう」「かしら」などの使い分けについては 〜かな / 〜だろう のページでも説明したいと思う。

使用頻度が低いためニュアンスをつかみ切れていなかったが、文語体または丁寧語の中で使うべき言葉であるようだ。
「〜かしら」は「〜してください」等と同様に、丁寧語(ですます調)のグループに属すると考えていい。
例えば、あらいぐまラスカルの男主人公は、目上に対する丁寧な質問として「〜かしら」をけっこう好んで使う。
漫画版が出版された「君たちはどう生きるか」のおじさんも手紙の中でよく使っていて、相手が対等でも良いらしい。

じゃあ、リアル文例を載せて行こう。

「かしら」の文例

これらの文例の「かしら」は全て「でしょうか」と置き換え可能だよ〜ん。

で、「昔は女性の言葉だったけど、今は男女差が無くなってきて男女関係なく使うようになった」……なんていう解説は、間違ってもしない方がいい。
あなたの考える「昔はこうだった」は、改竄された歴史かもしれない。
「かしら」の語源はググれば出て来るようなので、その説明はそちらにお任せする。


老若男女が「〜ってあるかしら?」と言いながら訪れるという『あるかしら書店』



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