東外大言語モジュール「日本語」にツッコミを入れてみた

趣味で語学をやってる人たちの間ではよく知られるサイトのひとつ。
その中には、よく出来たページもあれば、あまりよく出来てないページもあります。
今回は日本語の文法モジュール http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/ja/gmod/ の読書感想文を書きました(笑)。
用例採集をやってる私の視点から偉そうにツッコミを入れて行きますが、まあ、けっこう古いページだと思うんですよね。
実際の大学の授業では適宜アップデートされているのか、気になる所ではあります^^;

Lesson01 : Nです/Nではありません、ほか

※下線部はリンクになっているので、クリックすると実際のページに飛びます。
Step1 : Nです/Nではありません
「ではありません」をparseすると「で・は・あり・ません」と分解可能。
助動詞「だ」の連用形、副助詞「は」、動詞「ある」の連用形、特殊な助動詞「ます」の否定形が並んでいる形になります。
ちゃんとした文法書だったら、巻末付録でもいいから詳しい解説を添えておきたい所。

「ではないです」よりも「ではありません」の方が普通だと書いてありますが、実際の日常会話では「ないです」がよく使われます。ただしformalな文体では「ありません」の方が好まれます。
Step2 : NはNです
「は」「が」についてはネット上にいろいろな資料があるはずですが、どっちが普通でどっちが特別…という事ではなくて、普通に両方とも使うので、使い分けをきちんと確認しましょう^^
また、例文として②そのことを知っておどろいたという意味という物が載せてありますが、たとえば猫を見つけた時に「あっ、猫だ!」みたいに文末の助動詞「だ」を省略せずに使う事はありますよ。たぶん、そういう会話表現を意図しているんだと思います。
Step3 : Nですか
特にツッコミ所なし。
Step4 : Nでした/Nではありませんでした
特にツッコミ所なし。
日本語の構文は、実は「普通体(タメグチ)」の方が合理的な形をしています。
「丁寧体(ですます体)」の構文はちょっと歪(いびつ)な形になってしまう部分があるので、例文をそのまんま覚えた方が良いですね…。

Lesson02 : Nがあります/います、ほか

Step1 : Nがあります/います
たずねる対象が人間だと分かっている場合は「誰」と言い、正体不明の場合は「何」と言います。ただし、人間じゃなくても正体の分かっている動物を「誰」と言うことは問題ありません。
ページの最後の記述ですが、車などを「いる」と表現するのは(作動してるか否か…というわけでもないですが)実例は確かにあります。
NにNがあります/います
特にツッコミ所はありませんが、そろそろ「が」「は」の使い分けが気になって来ますよね(笑)。
ひとつだけ言うと、主語が疑問詞の時は必ず「が」を使い、目的語が疑問詞の時は原則として「は」を使う…という法則もあります。
Step3 : Nの上/下/中/前/後
特にツッコミ所なし。

Lesson03 : NのN、AいN、NAなN

Step1 : NのN
特に問題ないけど「同格って何?」については、あらためて説明が必要になるでしょうね。
Step2 : AいN
詳しくは次のページを見てね…程度の内容ですね。
Step3 : NAなN
ナ形容詞(形容動詞)って、意味上は形容詞だからこういう呼び方をしますけど、構文上は名詞述語文なんですよね。
もしsyntaxをきちんと覚えたい場合は、ただの名詞だと思った方が理解しやすいはずです…というのが私の持論。みなさんはどう思いますか。

Lesson04 : これ/それ/あれ、ほか

Step1 : これ/それ/あれ
まあ、このページはOKですね。
Step2 : ここ/そこ/あそこ
まあ、このページはOKですね。
Step3 : このN/そのN/あのN
特にツッコミ所なし。
Step4 : どれ/どこ/どのN
このLessonは、特に何事もなく平和でしたね…。
どれかわからないものについて聞くときは、「どれ」を使います。
「どれ」の意味は「どれ」です…みたいな文章になってしまってはいるが😓

Lesson05 : 数詞(1)、数詞(2)、助数詞

Step1 : 数詞(1)
ちょっとだけ補足をすると、「0」「4」「7」「9」の読み方は基本的には「ゼロ」「よん」「なな」「きゅう」で良いです。
「れい」「し」「しち」「く」という読み方は、主に年月日・時刻・四字熟語・カウントアップで使います。
Step2 : 数詞(2)
OKです。普通に教材として使えそうです。
Step3 : 助数詞
紙は「いちまい」と数えるとか、言い方が決まりきっている場合は必ずその助数詞を使います。
ただし、どの助数詞を使うべきかネイティブにも分からない場合もあって、その場合は「ひとつ」「いっこ」でOKです。
あまりマニアックな物を覚えても利用価値が薄いので、実際に使われる助数詞を厳選した一覧表とか有るといいですね。

Lesson06 : ~時、○○分・半、昨日・今日など、毎日・毎週など、月・日付・曜日

Step1 : ~時
特に問題なし。
Step2 : ○○分・半
多少の個人差は有るんですけど、基本的にはこの通りの読み方でいい。
ちなみに「何分」は「なんぷん」または「なんふん」と読まれます。
Step3 : 昨日・今日など
よみがなを添えてくれた方がより親切。
Step4 : 毎日・毎週など
特にツッコミ所なし。
Step5 : 月・日付・曜日
OKです。普通に教材として使えそうです。

Lesson07 : Vます/Vません、Vますか、Vました/Vませんでした

Step1 : Vます/Vません
これから起きるできごとを表わす時は、「が」で表わすのが普通です…と書いてあるのだが、そうなのか?
いや、時制は関係ないはずですね💦
Step2 : Vますか
行為が起きないことや状態がないことをたずねるために「〜ませんか」を使う場合ももちろん有ります。
ただ、有るか無いか分からない事を質問する場合、始めに「ありますか」と聞いてみて「いいえ」の返事をもらうのが普通なので、その結果として期待の表現や聞き手への誘いかけなどに使う方が多くなるんでしょう。
Step3 : Vました/Vませんでした
特にツッコミ所なし。

Lesson08 : NへVます、NをVます、NにNをVます、時+Vます

Step1 : NへVます
特に言う事なし。
Step2 : NをVます
「を」を使うのは1つの文節で1つだけにした方が、syntaxとしてはキレイではあります。
ただ、生身の人間のする事なのでね、「シャツを洗濯をする」と言う人がいたとしてもおかしな事ではありません。
Step3 : NにNをVます
特に間違いは無いですが、この段階では「間接目的語」だけを扱った方が良かったですね。
ここで「誰に何をもらう」という構文を持ってくると混乱しそうですね。説明の仕方を工夫しないと。
Step4 : 時+Vます
3番のような例外は、後ろに持って来た方がいい…かもしれない。

Lesson09 : Aいです/Aくありません/Aくないです、ほか

Step4 : 時+Vます
主語を表すのに「は」と「が」のどっちが普通か、という事は必ずしも言えないと思うんですよね…。
「この猫かわいいです。」程度の単純な形容詞述語だと、むしろ助詞を省略するのが一番普通だったりもします。
また、「ないです」はややくだけた言い方ですので注意しましょうと書いてありますが、「formalな場面には向かない」という事だけ注意すればいいです。日常会話では逆に「ありません」だと堅苦しく聞こえる場合もあるので。
Step4 : 時+Vます
特に言う事なし。
Step3 : Aかったです/Aくありませんでした/Aくなかったです
繰り返しになるので、特に言う事なし。
Step4 : とても・あまり
「とても」「とっても」は小説・日記・詩文で使う事の方が多く、日常会話では「すごく」の方がよく使われます。
「あまり」「あんまり」は普通に使います。

Lesson10 : イ形容詞とナ形容詞、NAです/NAではありません、N1はN2がAい/NAです

Step1 : イ形容詞とナ形容詞
…まあ、次にいきましょうか。
Step2 : NAです/NAではありません
「元気」とか「有名」とかいう漢字熟語を見て、勘のいい学習者なら気づくでしょう。
結局「ナ形容詞」っていうのは名詞を転用しているわけです。
Step3 : N1はN2がAい/NAです
助詞「は」の使い方に関しては、間違ってはいないんだけど「主題化構文」の考え方を取り入れた方がスッキリするんじゃないかな…というのが私の持論です。みなさんはどう思いますか。
ちなみに「上手(じょうず)」という言葉ですが、他人をほめる時に使う傾向が強いのは確かですね。
あまり自分自身の事に使わないのは自慢しているように聞こえるからというよりは、ほめ言葉としての性質が染み付いているからでしょう。

Lesson11 : 普通形の体系、動詞の3種類、ほか

Step1 : 普通形の体系
特に大きな間違いは無し。
Step2 : 動詞の3種類
特に間違いはありません。
Step3 : 形容詞の普通形
まあ、次に行きましょうか…。
Step4 : 名詞述語の普通形
まあ、名詞を修飾する時に「〜な」の形になる物と「〜の」形になる物があるんですよね。
形容動詞(ナ形容詞)という概念が意味を持つのは、唯一この点に関してだけです。
それ以外は名詞はナ形容詞とよく似ているどころか、完全に同一ですね。
Step5 : 普通形と丁寧形
詳しい説明はこれからあると思うので、次に行きましょうか。
Lesson11は「まとめ」としての性格が強くて、初見では分かりづらいですね。

Lesson12 : Vて(て形)、Vています(進行)/Vていません、Vています(状態)、Vてあります

Step1 : Vて(て形)
特にツッコミ所なし。
Step2 : Vています(進行)/Vていません
余裕があればの下の説明は、文法の解説ページに載せるには場違いな感じがありますね🙄
会話文例のページにでも入れておけばいいんじゃないでしょうか。
Step3 : Vています(状態)
私個人的に、ここは研究のやりがいがあると思うんですよね(笑)。
特に「知っている」を否定する時「知らない」になる件……持ち帰って検討しますか。
Step4 : Vてあります
「窓が閉めてある」とは言うけど「本が読んである」とは言わない件ですね。
私の勝手な意見ですが、ヒンディー語とかグルジア語の能格みたいな…いっそのこと、そういう概念を取り入れた方がいいんじゃないですかね。
持ち帰って検討しますか。

Lesson13 : NとN、NやN、AくてA・NAでNA・NでN、Vたり、Vたりします、VてVます

Step1 : NとN
特にツッコミ所なし。「と」の説明だけなので。
Step2 : NやN
「など」は人には使いませんと書いてありますね。
もっと正確に言うと「大泉洋さんなど出演者が続々来館」みたいに例示する場合は使います。
そうではなくて単純に複数である事を言いたい場合は、生物には「たち」を使うわけです。
Step3 : AくてA・NAでNA・NでN
特に間違いはありません。
Step4 : Vたり、Vたりします
特に間違いはありません。
Step5 : VてVます
特に間違いはありません。

Lesson14 : 助詞とは、格助詞、接続助詞、副助詞、終助詞

Step1 : 助詞とは
言語学者の間でも助詞の分類の仕方にはバラつきがあって、そこに分類していいのか??と思う物が時々あります。
なので、このページが完全に正しいかどうかは分かりません。
Step2 : 格助詞
特に間違いはありません。
「で」は助詞として扱ってもいいけど、助動詞「だ」の連用形だったりする場合もあるので、たぶん本当は区別した方がいいと思うんですよ。そうじゃないと「で」の説明が複雑になりすぎてしまうので。
Step3 : 接続助詞
ほとんど「詳しくは次のページを見てください」なので、次に行きますかw
Step4 : 副助詞
基本的にOKですが、すごく細かい事を言うと「でも」は「で」と「も」に分解できるはずですね。
Step5 : 終助詞
ネット上には「終助詞」と「役割語」を混同している文献が多数あります。役割語というのは創作上の単なる"お遊び"なので、そもそも使い方をルール化できるような物ではありません。
実際のネイティブ話者は場面に応じて自由に終助詞を使い分けており、例えばSNSの日本語を読む場合に、話し手の性別の指標として用いる事はできません。男性が使う・女性が使うという説明は一切忘れてください。
あとは目上の人に対して「よ」を用いるときは注意が必要みたいな事が書いてありますけど、そう簡単に決めつけられる物ではないんですよ。
終助詞について細かい話は私のサイトで詳しく解説しているので、興味のある方はそちらで…🙇‍♀️

Lesson15 : Nをください/Nをお願いします、ほか

Step1 : Nをください/Nをお願いします
「ください」は十分な丁寧語なので、日常会話で目上に使ったからといって悪い事はありません。
ただしformalな場面にふさわしい、より改まった敬語表現というのも存在するわけです。
Step2 : Nを(数)ください/お願いします
このページは特に問題ないです。
Step3 : Vてください
ページの後半で結局「この場合は人間関係の制限はありません」とか書いてあるけど、そもそも「ください」という言葉に人間関係の制限なんか無いので💧
もっとマシな説明をするなら「ください」は婉曲の意味合いを含まない丁寧語ですね。
Step4 : Vてくださいませんか
余裕があればの所の説明は、まあ良いと思いますけど
やはり言葉の移り変わりがあるので、今時の日本語では「〜をくださいませんか」だとバカ丁寧な印象もあります。使ってもいいですけどね。
「〜をいただけませんか」「〜をいただきたいのですが」あたりの表現がちょうどいいと思います。
(くださる=尊敬語、いただく=謙譲語、いただける=謙譲語の可能表現)
Step5 : Vてもいいです
許可を与える権限を持っている関係かどうかは、どうでもいいです、そんな事は知りません^^;
個人の権限の問題じゃなくて、一般的に「してはいけない事」を伝える時にも使います。
いちおう、親が子どもを教える時の定番フレーズでもあります。
Step6 : Vてはいけません/Vてはだめです
さっきのStep5と比べたらマシな解説ではあります…。
Step7 : Vないでください
さっきのStep1と同様です。
Step8 : Nでもいいです/Nではだめです
「で」が名詞述語の連用形である事を理解していれば、このStepは必要ない。

Lesson16 : Vませんか、Vましょう、誘いの受け方・断り方、ほか

Step1 : Vませんか
まあ、特に問題ないでしょう。
Step2 : Vましょう
聞き手が話し手と同じ意向を持っていることを前提として、一方的に話し手の気持ちを表わす表現なので、やや強引な誘い……なのですかね??
どんな言い回しだろうと文脈や口調次第で押し付けがましくなるし、基本的に「〜ましょう」は単なる勧誘表現でしかないはずですよ。
Step3 : 誘いの受け方、断り方
これは文法の解説というよりも、会話文例の中でやればいい話ですね。
Step4 : 意志形
特に間違いはありません。
Step5 : Vようと思います/Vようと思っています
現在形のまま使うと1人称の意味を帯びてしまいがちな動詞や形容詞が一部存在して、「思う」がそのひとつです。
「〜と思います。」も話し手自身の考えを表す傾向が強いので、特に間違った説明ではないでしょう。

Lesson17 : Vたいです/Vたくありません、ほか

Step1 : Vたいです/Vたくありません
「~たいですか」は使えませんに関してですが、あまり使っちゃダメとか言いすぎると言葉狩りになってしまうので…
ここら辺の話は英語に例えるなら「I want to よりも I'd like to の方がふさわしいですよ」みたいなもんですね。
(目上かどうかは置いといて)もっとビジネスシーンにふさわしい大人向けの会話表現があるよ、っていう事です。
あと、「〜がる」という表現はネガティブな意味合いを持つ事が多いですが、単なる事実を述べている場合は特に悪気はありません。
Step2 : Vたかったです/Vたくありませんでした
特にツッコミ所なし。
Step3 : Nがほしいです/Nがほしくありません
現在形のまま使うと1人称になりがちな形容詞「ほしい」。
3人称主語の場合は「ほしいです」よりも「ほしいみたいです」の方がしっくり来るのは、そうですね。(「ほしいのです」でも行ける)

ですが、求める相手は当然提供可能と予想される人になりますの意味はよく分かりませんでした。「ほしいんですが」の後は「可能でしょうか?」が省略されていたりするので、当然可能ではないと思うんですよね💧

それから日常会話で目上の人と話したい時は最低限「ですます体」にしておけば十分で、それ以上細かい事はどうでもいいです。
ただし、よりビジネスシーンにふさわしいformalな表現もありますよ…ぐらいに思っておいてください。

「ご入り用」は知ってたけど「お入り用」なんて言葉ありましたっけね?無くはないか。
「ご入用でしたら」というフレーズはそこそこ見かけますが、「ご入用ですか」は Rarely-Used な表現なので「お使いになりますか」ぐらいの言い方がちょうどいい気がします。
Step4 : Nがすきです/Nがすきではありません/Nがきらいです
特にツッコミ所なし。
Step5 : こわい・悲しい・うれしい、など
ものすごく簡単に言っちゃうと、助詞「を」を使えるのは原則として動詞文だけなので、形容詞文の場合は「が」とか「は」とかを使って示す事になるんですよ。
あとはStep1やStep3と重複する話なので割愛。

Lesson18 : Vことができます/できません、Nができます/できません、可能形

Step1 : Vことができます/できません
特にツッコミ所なし。
Step2 : Nができます/できません
特にツッコミ所なし。
Step3 : 可能形
ページの最後に載っている「ら抜き言葉」ですが、formalな文体では「ら抜き」じゃない方が好まれる一方、日常会話では「ら抜き」の方が優勢です。

Lesson19 : ~でしょう、~かもしれません・~にちがいありません、~と思います

Step1 : ~でしょう
特にツッコミ所はありませんが、「だろう」「でしょう」を用いた表現はけっこうトレンドが変化してしまっているので、詳しくは別のページで語りたいと思います。
Step2 : ~かもしれません・~にちがいありません
「きっと」「ちがいない」の2つは会話よりも小説で使う言葉になりつつありますが、それ以外は全て日常会話でよく使われます。
推敲の余地はあるかもしれませんが、特に目立った間違いはないでしょう。
「らしい」は無責任なニュアンスを帯びやすいと書いてありますが、それは伝聞表現なので自分の意見にならないからです。
Step3 : ~と思います
「でしょう」には個人的判断のニュアンスを含まないと説明されていますが、そうなんですかね🤔?
Step1で「でしょう」は主観的だと言ってたのと矛盾しますし、実際、個人的な考えを述べる時に使いますね。
本来「~と思います」は1人称の "I think" であり、"判断"だけじゃなく"感想"のニュアンスも含むので、専門的な話では別な表現を選んだ方がふさわしいとは思います。
私ひとりの判断じゃない場合は主にStep2で紹介されてる表現を使うのがいいはずです。

Lesson20 : 名詞の修飾の復習、V+N、Vこと・Vの、~とき

Step1 : 名詞の修飾の復習
特に問題ありません。
Step2 : V+N
特に問題ありません。
最後の説明がちょっと難しいですが、連体修飾の「内の関係」と「外の関係」の事を言っていますね。
日本語ではどちらも同じ形になるからあまり気にしなくてもいいですが、言語によっては形が区別されるようなので言語学者にとってはそこそこ重要な概念なんだと思います。
Step3 : Vこと・Vの
「〜こと」「〜もの」「〜の」の3つの使い分けはなかなかコツが要りますが、もうちょっと分かりやすい説明をしたいですね…
Step4 : ~とき
特にツッコミ所なし。

Lesson21 : 理由、逆接、条件、譲歩

Step1 : 理由
「〜から」は理由に焦点をあてる言い方ですが、必ずしも目上の人に用いると失礼だとか自分の事情を一方的に言い立てる印象だという事はないと思うんですよね。
ただ、理由を客観的に述べた方が当たり障りない場面もあるので、その場合は「〜ので」とか「て形」のような連用形接続を使うとちょうどいいです。
Step2 : 逆接
接続助詞「〜けど」は幅広い場面で使われるので、その結果として「のに」は使えないけど「けど」は使える例がいくつか有り得るわけです。
まあ、詳しくは、またの機会に…
Step3 : 条件
特にツッコみませんが、説明の仕方を工夫しないと混乱してしまいます。
このページを書いた人も、まだ頭の中で整理し切れてない感じですよね(笑)
Step4 : 譲歩
特にツッコミ所なし。

Lesson22 : やりもらい、 Vてあげます

Step1 : やりもらい
「あげる」ではなく「くれる」の方を使うと、話し手の感謝のニュアンスが加わるわけですが、特に「誰かが私に対して与える」場合は「くれる」を使います。
「私と近い人に対して与える」場合についてですが、身内と言っても法律上の家族である必要は全然なくて、私と同じ側の立場にいる人なら「くれる」を使う要件を満たします。
また、単純に物の受け渡しの事実を述べるだけの場合は「くれる」じゃなくて「あげる」を使う事も有り得ます。
なお、ページの最後の12番・13番の説明は間違っていません。家族どうしで敬語を使う習慣がなく、また現代語では「目下に対して使う言葉」という概念がないからです。
Step2 : Vてあげます
「〜してあげる」は受け手に恩を売るという意味を帯びるので気をつけましょうとか書いてありますが、これだと何の事を言っているのか分かりにくいですよね。
これはボランティア活動とか発展途上国支援などで、相手を可哀想な人だと決めつけ上から目線で「何々してあげたい」とは如何な物か…という問題意識なんですよ。
もちろん何の悪気も無い場合もあります。

Lesson23 : Vていきます/Vてきます、Vておきます/Vてみます

Step1 : Vていきます/Vてきます
もうちょっと分かりやすい説明にできないかなぁ、とは思いましたが特に問題なし。
最後の余裕があればの説明ですが、理由が「教わる・買うなどの表現があるため」かどうかは知りません。
「送って来る」が「欲しくもないのに」というニュアンスを帯びる事だってありますから、そこは文脈の問題でしょう。
「売って来る」じゃなくて「売りに来る」なら違和感ありません。
Step2 : Vておきます/Vてみます
特にツッコミ所なし。

Lesson24 : スタイルとは、普通体、丁寧体、敬語

Step1 : スタイルとは
特に言う事なし。
Step2 : 普通体
特に言う事なし。
Step3 : 丁寧体
5番の①の説明の仕方はなんだか違和感があるので、この部分だけは無視してもらっていいですか😂。
ネイティブの頭の中にそういう思考回路は無いと思うので…。
そもそも(6)では「ので」を使って(7)では「から」を使っていますし、「ので」と「から」の用法の違いにすぎないように見えます。
Step4 : 敬語
特にツッコミ所はありません。

まとめ

活用表とか、読み方の一覧表とか、そのまんま教材として利用できそうなページも少しは有り、また、個人的にはLesson12の内容に色々と考えさせられました。
ただ全体的には、ある程度学習の進んだ人には少し物足りない内容かもしれないし、そうかと言って、初学者向けの教材としても内容不足で、特に説明文が分かりやすいわけでもないんですよね。
特にLesson14からLesson17までの内容に関しては、怪しいマナー講師みたいな説明、「それってあなたの感想ですよね?」みたいな説明が目立って、従来の日本語教育の悪い癖が出てしまっていましたね。
最近はもっといい新しい教科書が作られているはずなので、あえてこれを使って勉強する必要はあんまり無いだろうなあと思いました。
モンゴル語のページは逆に説明が細か過ぎますけど、本気で勉強するならこれくらいの内容は欲しいですよね(笑)
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