翻訳できないと言われた言葉を華麗に訳すページ

なぜ日本人は外国語が苦手なのかって、それは決まってるだろう。
なんでもかんでも「翻訳できない」ことにしてるからだよ。
一度「無い物」として決め付けてしまえば探そうとしなくなる。あなたの語学力はそこで頭打ち。

ただ、ある日気づいたんだよ。
翻訳する時に1対1対応しない単語っていうのは有るんだけど、どうもそういう事を「○○語に○○は無い」と言っているらしい。
そこに「ヨソはみんな○○なのにウチは…」みたいなバイアスが加わると余計に厄介で…
単語の指し示す範囲にズレがあったり、区切り方が違うだけなので、表現できないわけでも概念が無いわけでもないので、ちょっとそこの所は気をつけてください。

それから、「ひとつの言葉で多く物事を表せるからすごい」っていう事もあれば「ひとつの物事を表す言葉がたくさんあるからすごい」っていう事もあるじゃん?
だけどそれって互いに相反しているでしょう?こういう話を続けていくと、結局はお互い様だよね、どっちの言語が優れているとか劣っているとか言えないよね…ってなるんだよ。OK?

このページは、おもしろい訳語が見つかり次第ちょっとずつ更新していきたい。
最近はタイ語版のwebtoonで遊びふけっていたのでタイ語率が高い。

"核"となるニュアンスを見つけ出そう

翻訳の仕方がわからない原因のひとつとして、漠然と美化されたイメージに囚われてしまっている事がある。
言葉に対する色々な思い入れは置いといて、その言葉の中核にある意味合いをズバリ見つけ出す…それによって翻訳の手がかりにつながる場合もある。
せつない悲しいという感情を引き起こす状況
はかない長続きしないことが性質上わかりきっている
えらいあなたは皆の見習うべき対象です
品(ひん)ぱっと見ただけで100点満点だと思う物
こまかいチェックポイントの数が多いこと
ねたみ自分が最も優れているという仮説が否定される
あこがれ自分が将来どうなりたいか、その具体的な対象
さわやか感覚神経に与える刺激が適度に弱い(主に清涼感)(無感覚ではない)
しぶいカワイイ要素をすべて取り除いた物
あまえる援助を断ち切って自立するにはまだ危険な状態であると考える
おこがましい「偉そうに言える立場ではないこと」の古風な言い回し
出会う未知との遭遇(Close Encounters of the Third Kind)

もったいない

英語What a waste
韓国語아까워
中国語舍不得
タイ語เสียดายของ




「質量保存の法則」からも分かるように、材料は無限に調達できるわけではない。
限りある資源の中でどのように有効利用するか…経済学の基本中の基本であり、人間に限らずほとんどの高等生物には「もったいない」の概念がある。
日本語の「もったいない」がなんとなく珍しく見えるのは、元々は違う意味で使われていた仏教用語を転用してるからだろうね。
ただし実用上は宗教云々とは関係なく、単なる慣用表現として存在しているだけであり、概念それ自体は別段珍しい物ではない。
いつだったかマータイさんが「MOTTAINAI」をもたはやしていたけれど、そうはいっても現実はかけ離れているよね…。
仮にも日本以外に「もったいない精神」が無かったら、今頃地球は表面温度600度の乾燥した惑星になっているだろうから、無論これは日本人だけでなく世界中の人間が心がけるべき精神であることは言うまでもない。
なお、タイ語の教科書では「もったいない」を「น่าเสียดาย」としているが、これは「もうちょっとの所で手に入らず、惜しい」の意味でもよく使う。

例文

「もったいない」の2番目の語義「私には価値が高すぎる」を英語で表す場合は "too good" が使える。

儚い

英語evanescent
タイ語ไม่จีรัง
「短命」という意味では「ephemeral」という単語もある。
そういった狭い意味ではなく「今にも消えてしまいそうなか弱い感じ」だったら、難しい事を考えず「evanescent」で良い。

甘える

巣立ち前の雛鳥がとる行動。
英語clingy
中国語撒娇
韓国語응석, 어리광
タイ語อ้อน

おつかれさま

韓国語수고했어요
中国語辛苦了
タイ語เหนื่อยหน่อยนะ
みんなの努力に感謝する意味での「おつかれさま」。
ただし職場ですれ違ったりする時の「お疲れ様」は、他に適当な挨拶がないからそう言ってるだけで、本当に「お疲れ様」でいいのかは議論の余地がある。
英語の別れ際の挨拶「Take it easy」も覚えておくと便利。

いただきます

中国語開飯了
アラビア語باسم الله
ドイツ語Guten Appetit
中国語の「我們開動了」はちょっとスラング臭いので、それよりは「開飯了」を覚えた方がいい。
アラビア語の「ビスミッラー(ヒ)」はイスラム教の習わしなので、少なくとも世界人口の3分の1は食事の挨拶をするという事がわかる。

ごちそうさま

スペイン語Buen Provecho
Que aproveche
アラビア語الحمد لله
スペイン語のこれは、帰り際にまだ食事中の人達にも掛ける挨拶。
アラビア語は「アルハムドゥリッラー(ヒ)」。
日本語の「いただきます」「ごちそうさま」は昭和生まれの言葉で、習慣としては根付いているけど、特に宗教的な意味合いは存在しない。

難読語を訳す方法

シソーラスを使うといい。類語辞典のことだ。
thesaurus.com

このオンライン英語類語辞典で、たとえば「sky」を検索してみよう。
すると azure, empyrean, firmament, welkin などポエムで使うような単語が出て来るね。
これで「天空」とか「蒼穹」という言葉もうまいこと翻訳できそうだ。

さて、ここで宿題!!
シソーラスを活用して「忖度」を翻訳してみてください。
そもそも忖度なんて言葉は「使わない言葉」だったのに、いきなり2017年の流行語になってしまった物なんだよね。
こういうマイナーな単語には翻訳ルールが無いので、最初は翻訳の仕方が分からなくても当然なのだ。
日本語から考えて分からなければ別の言語から攻める、というのもひとつの手。
今回の忖度の例だったら「中国語のメンツを英語で言うと?」とか。

なんと!!なんて!!

これはね、違う意味で翻訳できない言葉だ(苦笑)。
「○○語でなんと言いますか?」ばかりヒットするからググれなくて困る…。
中国語竟然
韓国語어쩜
タイ語เชียว

おもてなし

英語hospitality
タイ語น้ำใจ
この英語はビジネス級なら知ってて当然な物。
タイ語の「ナムチャイ(心の水)」は、まあ「情け深き心」みたいな。

よろしく

韓国語잘 부탁해요
中国語(formalなあいさつ)請多指教 / (たのみごと)拜托了
タイ語ขอฝากตัวด้วย
ここでは、今後の付き合いを願う意味での「よろしく」。
ファンサブ動画では「請多關照」よりも、上のやつの方が多かったかも。
たとえば中国語だったら こんなの とか。
こういう挨拶言葉は、それぞれの言語にそれぞれの決まり文句があるわけで、どっちが良いとか悪いとかそういうつまらない事を考えず慣例に従いましょう。

どうも!

英語Howdy!!
スペイン語Buenas!!
タイ語ไง!!
ここでは「こんにちは」の意味。
すれ違う人に挨拶する時などに便利なので、一言ですむような挨拶表現はたいがい用意されている。

おかえり、ただいま

習慣的にそういう挨拶をするかどうかはともかく、
「これから出発します」「今、戻りました」という合図をする必要は出てくるので、そういう時に適切な言い回しについても調べておくといい。
例えばネット上でしばらく姿を消してた人が戻って来た時 "กลับมาแล้ววว" "คิดถึง" なんていうやりとりがある。

なーんちゃって

タイ語ซะเมื่อไหร่
このタイ語は実際に ookbeecomics で目撃した。

とりあえず

英語for now
「今のところは」の意味。これは便利だから覚えよう。

ドジっこ

英語clutz
タイ語ซุ่มซ่าม
辞書の説明が「よく物を落とす」。

まあまあ、そこそこ

中国語还好
スペイン語Así así
タイ語เหมือนกัน
タイ語は Amazonのこの本 からのタレコミ情報。

テキトーに

英語high level

ご丁寧に、

英語meticulous


くやしい

英語frustrated
中国語委屈 / 不甘心


英英辞典によるfrustrateの説明だと他の意味もあるけど、日本語の悔しいの意味もカバーしている。
ネットでよく見かける「英語に悔しいは無い」というのも、正しくは「単語の表す範囲が違う」という意味で捉えるべき。たとえば「和集合」の図みたいのを思い浮かべるといい。
ネイティブ流の「くやしい〜💦」という表現を知りたければ、実際に悔しがらせてみたらどうだろうか(笑)

なつかしい

ノスタルジーの意味で。
英語nostalgic, good old
韓国語그립다
中国語怀旧的
タイ語คิดถึงจัง


しーんとする

英語hush
中国語靜悄悄
タイ語ชิง / กริบ


雪がしんしんと

韓国語눈이 펑펑
中国語雪意涔涔


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