日本語の語尾「さ」の使い方

日常会話で非常によく耳にする用法と、逆にリアルではあまり聞かない用法の2つがあるので、それぞれについて説明する。
基本的に、述語の終止形の後に「さ」をくっつけるのは、ネイティブ会話としてはちょっと微妙らしい。

実際によく耳にする「文節+さ」の使い方

〜ね。の語尾のページで文章を途中で打ち切る用法を説明してあるけどさ、同じように「さ」を使っても文章を途中で切ることができるぞ。
こちらも同じように一呼吸置く、以下の文章を省略する、後から文章を付け足して補足するといった使い方だけど、「ね」とは違ってさ、「さ」の場合は相手に注意を促す意味合いが加わるんだ。

「さ」で文章を打ち切る例

このように文節の後にくっつけるような、純粋な間投助詞としてなら話し言葉でも非常によく使う。
使いすぎると悪い印象を与えることもあるが、それは語尾の「さ」に限った話ではなく、同じ語尾の多すぎる言葉はあまり美しくないのだ。

日常会話での間投助詞は「ね」と「さ」の2つが代表格だが、「ね」しか使えない例もあるので注意。

「さ」を使える例

「さ」しか使えない例

「ね」しか使えない例

「さ」のニュアンスは「よ」に近く、自分の話に注意を向ける感じがある。
一方、「ね」は相手の話に対して同意・確認・補足をする感じがある。
したがって相手の確認を求めるタイプの言葉には「さ」という語尾が合わなくなる。

「動詞や形容詞の終止形+さ」「名詞+さ」

説明しきったことを表す、断定の語尾表現。
文末に「さ」をつけるということは、「以上で説明終わり!」ということだ。
このパターンもたまに話し言葉で出てくることもあるが、基本的には書き言葉やポエムで使うような言葉だ。
口語的に言うなら「〜から」「〜んだよ」辺りだろうさ。

文語的な言い回し

たまに日常会話に現れる物


「〜だよ」とは言うけど「〜ださ」とは言わない。
名詞述語文に「だ」の付かない物は、文法的には終助詞ではなく間投助詞になる。
なので「さ」という語尾はそもそも終助詞みたいな使い方はそぐわないんだと思う。

他のところではどんな説明をしているのかな、と見に行ってみたら「無責任さ、確信の無さ、推測」を表すなどという説明があった。
これはドラマとかのチャラチャラした役者のイメージを引きずっているように見受けられる。
リアルでの使用例は頑張って集めてみているところだけど、「〜さ」を使う人が皆そういう態度で話しているようには見えない。
まあ、ごまかすために「言い切る」のも自由だけど。

つまり、「〜さ」は基本的にあいづちの間投詞なので、きちんとした答えとしては若干足りない所がある。
とりあえず即決する意味で使ったりするけど、ただし、本人に強い確信があるかどうかまでは表していないわけだね。
言い切れるだけの自信があって「いいさ!」と言う人だっているので、その場の状況から判断してほしい。

HiNativeのこの質問 「でもね」と「でもさ」はどう違いますか?
この残念な回答者は、男は「でもさ」女は「でもね」を使うと説明しているが、これは……何をどう考えたらこんな説明になるのかね^^;
ふだんから本を読んだり話を聞いたりしていたら、ありえない珍回答だけどね…
さすがの質問者も「映画の中で女の子が『でもさ』を使い、父親が『でもね』を使っていた」と聞き返している。
「あくまでも mainly なので」とかごまかして逃げてやがるけど。
この質問 みたいに、関西弁で聞いた方が適切な答えが返ってくるかもしれない。どうしちゃったんだ標準語スピーカーどもは

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