日本語の語尾「のね」の使い方

「〜のね」ってこういう使い方だったのね!

発音を崩さず「の!」と言うことで、もうちょい押しの強い言い方になるのよね〜ん。
「のね」は日常会話でも比較的よく出る物で、ツイッターなどのSNSでは頻出表現だったりする。
これを「女性語」扱いしているのは現状認識が無い。

「〜んだね」と似ている用法

「〜というわけなんだよ。ねっ。」と似ている用法

上2つの文例は相手の話に感心した時の「〜のね」であり、これは二人称的な用法だ。
下2つの文例は自分側の事情を「ウチはこうなのっ!」としゃべって、その後に念押しの「ね」を添えている形であり、これは一人称的な用法だ。
エセ女言葉しか知らなかった人だと、この「一人称的な用法」については知らずに過ごして来たかもしれないが、いちおう覚えておいてほしい。

非常に稀だが「〜のな。」という語尾表現もある。
理屈は「〜のね。」と同じなので、意味は自分で考えてみよう。

疑問文による聞き返し的な用法

自民党の宣伝漫画(2017年秋)を引っ張り出して来た。
ちなみに私は、特にどの政党も支持していない。大事なのは具体的な政策を示す事だと思ってるので、正直あんまり意味ないんだよ、何党を支持するかなんて。
ただ、この漫画の何がすごいって、てよだわ言葉一切抜きなんだよ。(親と教師の出番がないからか……)
こういう若者目線はやっぱり甘く見れないからなぁ。ここで野党が頼りないと悲しいなぁ。

それじゃあ左端に見えてる「もう親と相談してるのね!」は何だよって話になるが、それは今から説明する。

そこそこ長い話を聞いて理解した時は普通「〜んだね」を使うが、それに比べると「〜のね」の方はかなり瞬発的な物である。
「え、そうなの!?」と驚きはするが、その人は頭の回転が早くてすぐ理解したのだ。
従って「のね」は疑問の「〜の?」の後に「ね」がくっついた物だと考えて、ほぼ間違いない。

「なんだそういうことか」的な用法

その次に多いパターンが「〜という訳なんだね。」を縮めまくって「〜のね。」になった物。
朝日新聞の連載漫画を引っ張り出して来た。
「ののちゃん」は男性が描いてるわりに家事ネタが生々しく、主役の女の子はサッカーボール蹴り回してるし、こういう4コマ漫画は他紙では絶対に読めない。

チェ・ジウさん、私の知人と顔そっくりなんだが。絶対にオネエ言葉とか違和感あるよな。
いろいろ話がそれた。
最後のオチに対して、おっさんが「まだ仕事決まってないのね…」と言っている。
どうでもいい話だったら普通は「〜んだね」で答えるが、逆にどうでもよくない話だったらどうか。
ここは聞き逃すと誤解を招く大事な発言だから「んだ」ではなく「の!!」で表現しているわけだ。

いずれの場合にしても、特に驚くべきことのない話を聞いた時は「〜んだね。」思っていたのと逆である事を知った時は「〜のね。」と使い分けている気配がある。

「〜んだ。」と「〜の。」のニュアンスは別のページで説明してあるので、基本的にはその使い分け方を手掛かりにして解釈してほしい。
「の」という言葉を発したのに釣られて「のよ」「のね」「のよね」と続く場合もある…と、そんな所だ。


▲トップに戻る▲