日本語の語尾「んだね」の使い方

「〜んだね」はそう使うんだね。

使い方は「〜ね。」と同じ。
ただの「ね」は基本的にひとつの事柄を指しているけど、「〜んだね」は今までに話して来た事全体を指しているんだね。

「んだね」の文例

相手の話を聞いて「なるほど分かった」というような感じ。
アニメ版とは微妙に違うけど、3つ目の例文は「風の谷のナウシカ」第1巻のヤツ。

「〜んだよね」とも言うんだよね。

これはどこで切るかによって2通りの解釈があるんだよねー。
「〜んだ」と「〜よね」に切る場合は、これこれこういう事なんだと話した事について「よね」で相手に確認をする、という単純な組み合わせ。

「んだよね」の文例1

3つ目の例文は、風の谷のナウシカ第7巻から拾ってきた。
全体を通して、「だ」の用法を心得ている。

それに対して「〜んだよ」と「〜ね」に切る場合、「んだよ」の部分で話し手にとっては(一言で言えない)重要度の高い発言をする。
その次に助詞「ね」の持つニュアンスを利用して、矢印の先を相手にではなく、どこかイラストボードかお空の雲の上にでも逸らしている。

「んだよね」の文例2

ちなみに3つ目の例文はアニメ『花咲くいろは』主役の母親のセリフ。二次元で「てよだわ言葉」抜きの母親キャラは0.3%の確率で手に入る伝説レア。

超頻出語尾を使いこなそう

「よ」「ね」「んだ」の3つさえ使えるようになれば、日本語の語尾表現はほぼ習得できたと言ってもいい。

平叙文の文例



次に、文法上は平叙文だけど語尾のイントネーションが疑問になっている例をあげる。

付加疑問の文例

平叙文で相手の注意を引く時は、ただ文末を高い音にするだけで良い。
これに対して疑問文の場合は、低い音から高い音に急上昇するようなイントネーションになる。

この中でも特に「〜んだね」「〜んですね」という表現は、相手や他人の意見を復唱する時にしか使わない。
単独の終助詞「〜ね」もあんまり自分事には向かないが、自分自身を客観的に見て「〜ね」を使う例はある。
それ以外は自分の意見を話す時にも使える。

その他

他には「〜んだな」「〜んだぞ」「〜んだぜ」「〜んだわ」という組み合わせパターンが存在する。
まあ、個別に項目を立てるほどでもないので、軽く紹介する程度で済ます。
「んだ」をつけることで今までに話して来た事全体を指す、という理屈は同じ。

【おまけ】終助詞の使い分け方のおさらい

ちょっとこの辺で、今までに出て来た語尾を比べてみよう。
男性諸君も女性諸君もみんな、これら全ての終助詞を覚えて使いこなせば、日本語の先生よりも上手にしゃべれるようになる。

まず初めに「相手に情報を伝える」という観点から使い分けを考える。

「よ」「わ」「ね」「な」「ぞ」の違い(1)


次は「私の感情を(相手の注意を引きたい訳でなく)おだやかに述べる」という観点から使い分けを考える。

「よ」「わ」「ね」「な」「ぞ」の違い(2)


次は、女子ソフトボール部での合宿の打ち合わせで、ひとこと発言する場面を考える。

「よ」「わ」「ね」「な」「ぞ」の違い(3)

翻訳者にしろ脚本家にしろ、何でもかんでも「〜わ。」で片付けすぎているので、あんまり言葉に深みがない。
日本語の感嘆表現は「〜な。」を使うのが基本だけど、けっこう忘れられてて困る。

もうひとつおまけに……

「行こう!」「行くよ!」「行くぞ!」「行くぜ!」の違い

行こう! は「動詞の語尾変化」で、単なる勧誘表現。
行くよ! はリーダー(話し手)が個々人に注意を促しているため、行かないと不都合があると思われる。
行くぞ! はリーダー(話し手)がその場にいる全員に対して呼びかけているが、個々人への注意という感じはないので、興味の無い人はたぶん行かない。
行くぜ! は多くの場合1人称複数のニュアンスがあり、全員で一斉に駆け出すイメージである。



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