日本語の語尾「じゃん」「じゃない」「んじゃないの」などの使い方

外国人にとっても否定疑問文や反語は特別珍しい物ではないし、たとえば中学英語でしょっぱなから出てくる「Why don't you ...?」だって、れっきとした反語表現だ。
中国人が相手なら「可不是」を引き合いに出せば「哦〜」とか言って納得するかもしれない。
元々疑問文に由来しているので、少しぐらい曖昧な表現になったとしても、何もおかしな事はない。
あんまり曖昧曖昧と決めつけずに、この種の言い回しと向かい合ってみれば、ある程度のパターンを見出すことはできる。
とはいえ、きちんと覚えようとするとなかなか複雑だから、少しずつ紐解いていこう。

いわゆる反語表現なので、文字通りに解釈できない言葉遣いのおはなしになる。
行間を読まず文字通りに解釈できる言語としては【機械言語】【アセンブリ言語】【プログラミング言語】などがある。
C++やJavaのような言語に多様な解釈を許してしまうと大事故につながるからね(笑)

「じゃん」を使うか「じゃない」を使うか

反語として「きっとそのはずだ」を表す「〜ではないか。」をどんどん縮めた結果「〜じゃないか。」「〜じゃない。」「〜じゃん。」となった物である。
「じゃん」を広く使うようになったのは割と最近の事のように思うので、昭和世代は「じゃない」を使う人も多いかもしれない。
実際に私の親や上司は「じゃない」派であるし、あえて強調する時に「〜じゃない」という言い方も残るかもしれない。
もちろん年配者であっても現代語の影響を受けるので、両方使う人もいるし最終的には個々人の好みによる。


オロナインという人(たぶん男)のニコニコチャンネル「楽しければいいじゃない」というのがある。
だから何を言いたいのかと言うとね……女っぽいと思い込まれている言葉遣いには、男のイラストを貼り付ける。逆もまた然り。
とにかく性別の事は全部忘れて文法だけを気にしてほしい。
このサイトで画像引用してるのは、だいたいそういう意味なので、ご承知おきを。

たのしいだろう」「たのしいではないか」などは、一般的な呼び名を当てるとすれば、おそらく「終止形接続の助動詞」だろうと思う。
英語の can および can't の聞き分けをどうするかっていう問題も、なかなか学習者にとっては驚きがあるけど…💦
日本語の「じゃん」「じゃない」の説明も、発音のアクセントの問題が絡んで来たりするので、まずは次の事に注意しよう!!


「な」にアクセントを置くと、ただの否定文になる

「じゃん」「じゃね」というような短縮形なら否定文の可能性はゼロだと思って良い。
だたし「じゃない」「じゃねえ」の場合は文字通りに否定文のことがあるので注意。
文面では全く同じ形だが、口でしゃべる時にはアクセントの違いがあり、基本的に「な」の部分を高い音にすれば否定文になる。

「終止形」か「名詞」かで、使われ方が分かれる

「お菓子かしじゃないの?」とは言うけど「あまいじゃないの?」とは言わないよね…
という、ちょっと細かい話があるので、なんとか詳しく解説してみようと思う。
それに加えて、平叙文か疑問文かでも使い方が分かれる。
また「動詞 + ん」「形容詞 + ん」については、名詞と同じように考える。

1人称がデフォルトではない

日本語で主語を省いて「やらない。」と言うと、デフォルトでは「私はやらない。」のように話し手の意思として解釈されやすい。
ところが「やらないじゃん。」などと言った場合はそういう推定が働かない。
これは元々「〜じゃないか」という疑問文に由来する言い回しだからだ。
誰がやらないのかは、文脈上のどこかで示してあげる必要がある。

「肯定的表現」「ただの否定文」「弱い反語」「強い反語」の4つがある

主に教育者たちの間で、庶民の言葉をさげすんで見る空気が少なからずあり、その影響でここら辺の言葉遣いもほとんど研究が進んでいない…というか、あんまり内容がまとまっていない。
そういうこともあって、本ページではかなり独特な理論を並べてしまっているので「レビューよろしく!」という状態になっている。
特にこの4つの概念を導入しながら見ていきたいと思うので、あらかじめご了承ください。
肯定的表現「〜ではないか」に由来する表現であり、反語というよりは純粋な肯定というべき物。
「相手に対する主張」というよりも「個人的な信念」みたいな感じがする。(驚きや非難の意味があるかどうかは文脈による)
「な」を低い音で言いつつ尻下がりにする。
例)なかなかいいおみせじゃない。
否定文単なる否定文であり、「な」を高い音で言いつつ尻下がりにする。
否定疑問文の場合は「な」を高い音で言いつつ尻上がりにする。
例)これはゆめじゃい。 / ありゃ、もしかして食用しょくようキノコじゃ
弱い反語「〜ではないか」の疑問文に由来する表現で、反語とはいえ個人的意見を控えめに述べるくらいの語調しかない。
自信はないけど、ひとつの可能性を述べる時の言い方。
「な」を低い音で言いつつ尻上がりにする。
例)古着屋ふるぎやなにかじゃない
強い反語これは疑問文とまったく同じであり、「だれかる?」「そんなものう?」みたいに文脈上反語となった物にすぎない。
「そんなわけないだろ」「間違いないはずだ」と、相手に対して強く主張するニュアンスになる。
「な」を高い音で言いつつ尻上がりにする。
例)さがせばつかるんじゃあったはずだけどなぁ。

反語表現の概要

疑問詞を用いた反語、そして、否定詞を用いた反語

反語と言えば、まずは「なにたのしい」「どこにある」のような疑問詞疑問文がある。
事実が無ければ答えようが無くなることから反語の意味が生じるのだ。
文法上は普通の疑問文と何も変わらないが、口でしゃべる場合は反語を表すために尻下がりになる事が多い。

一方、このページで解説する物はそれとは別であり、否定詞のみを用いた反語表現になる。
疑問詞を一切用いないということに注意してほしい。
あえて否定疑問文を使うのは「そんなことないよ。もちろんYesだよ。」という相手の反応を期待しているからで、それがだんだんと一種の勧誘表現として定着した物である。

動詞の否定疑問文

形容詞の否定疑問文

名詞述語文の否定疑問文

「ミカンだ。」の否定文は「ミカンではない。」だが、日常会話では「ミカンじゃない。」が普通。
これも「な」の部分にアクセントが来るかどうかでニュアンスが変わるが、それは先程の形容詞と同じである。
この「〜じゃない」こそが本ページの主題である。

終止形に「ではないか」を付ける

「ミカンではないか。」のような名詞に限らず、動詞文や形容詞文の終止形にも「〜ではないか。」をくっつけることもできる。
出来できるではないか」「かないではないか」「うまかったではないか」などなど。
「終止形+ではないか」の場合は100%の確率で肯定的表現であり、「な」にアクセントが置かれることはない。
このページで解説する「肯定的と言うべき反語表現」は、この「終止形+ではないか」「名詞+ではないか」に特有のニュアンスとなる。

実際に文例を見ていこう

<注意>
ここからは、「な」にアクセントが無いことを前提に説明していくので、そこに気をつけてください。
「な」の部分は低い音でしゃべろう。

まずは動詞文や形容詞文の終止形に「じゃん」「じゃない」を付ける例を挙げる。
現在形である必要はなく過去形でも否定形でも良い。

終止形接続のパターン


次は「猫」という名詞を使った例。
ちなみに「最高!」「好き!」「快適」などの言葉は、話し手の気持ち次第で形容詞にも名詞にもなる。
「ナ形容詞」「形容動詞」と呼ばれる物だが、もしも形容詞のつもりでしゃべるのなら先程の終止形接続のパターンになる。

名詞のパターン


次は「いい」という形容詞文に「んだ」をくっつけた例。
「ん」は構文上は名詞として働くので、その前にくっついてる動詞や形容詞は「連体形」だと考える。
「んだ」を入れた場合は、さきほどの名詞と同じパターンになる。

「連体節+ん」のパターン


最後に「猫」という名詞に「んだ」をくっつけた例。
「〜なん〜」が加わることにより、単純に「猫である」という事実を言うだけでなく、さまざまな状況から考えて「猫である」という意味になる。

「名詞+なん」のパターン



それでは、ここからは「な」の部分にアクセントが来る物と来ない物とで比較をしていこう。

アクセントの付け方の問題

基本的に「な」の部分を高い音でしゃべると、ただの否定文になる。

アクセントによる意味の違い

終止形接続できる物

動詞・形容詞と直接くっつけた物はすべて【肯定文】であり、否定文・弱い反語・強い反語として解釈されることはない。
文法的な根拠はあんまりよく分からないが、動詞・形容詞と直接つなげられるのは以下の場合に限られる。 そのほか、文末に別の品詞がくっついた「じゃないの」「じゃないかな」「じゃないだろうか」などの場合には、名詞としか接続しない。
動詞や形容詞の直後に「〜じゃない」をつなげると言うのがそもそも特例なので、本来は「名詞+じゃないの?」のような構文しか認められないわけだけど…
名詞としか接続できない場合は、特に意味はなくても「できるんじゃないの?」みたいに「ん」を付けて名詞化しといてください。

「んじゃないの?」はよく出て来る

動詞 + んできるんじゃないの?
形容詞 + んたかいんじゃないの?
名詞いぬじゃないの?
名詞 + なんいぬなんじゃないの?
「ん」「なん」の部分は「という物・状況」というニュアンスで考えれば良い。
動詞・形容詞の後に直接「じゃないの?」をくっつけるパターンは、先ほど説明したとおり存在しない。

「ない」にアクセントを付けずに「犬じゃないの?」と言うと、100%反語表現になり「たぶん犬だけど、どう思う?」の意味になる。
「ない」にアクセントを付けながら「犬じゃの?」と言うと、「犬ではない。」に対する単なる疑問の場合もあるが、文脈的に反語である場合は「犬のはずだろう。犬なのに。どういうことだ。」という意味になる。
「ない」にアクセントを付けた方が、より強い反語になるらしい。

もっと単純に「できない?」「高くない?」だけでも反語の意味を十分表せる。
しかし「様子を見た限りでは…」という意味のクッション言葉で「連体修飾節+んじゃないの?」という構文もよく使われる。

否定文にも「じゃん」「じゃない」を使える

動詞・形容詞そのものの原形である必要はなく、このように否定の助動詞の後につなげてもOKなのだ。

「〜じゃないんじゃないの?」とか、たしかに初学者から見ると混乱しそうな文だよね。
文中の否定詞は否定の意味にしかならないので、「じゃないん」の所は普通に「ではないという事」という否定文で捉える。
文末表現でアクセントの無い否定詞は確実に反語なので、「じゃないの?」は「と思うけど、どう?」という意味に置き換えて考える。

文末表現でアクセントの有る否定詞、つまり単なる否定文の例も挙げておこう。
以下の例では「やってない」という発言を打ち消しているだけなので、反語ではない。

普通の否定文の例

「この おみせ、 かりが えてる みたい だけど、 もうやってないのかな?」
電球でんきゅうが れちゃってる らしいんだ。」
「あ、やってないんじゃいの?」
「うん、営業中えいぎょうちゅうだよ。」
この場合に「あ、やってるの?」と言い換えても、もちろん言いたいことは同じになる。
「否定の否定の法則」と言うのか知らんけど(笑)

「否定文+んじゃない?」については、もっと短い言い方もある。
「できてないんじゃない?」と「できてなくない?」は同じ意味。
さすがに「できてなくなくない?」はネイティブの頭でも理解不能なので、やめてください(笑)

「ない」を縮めて「ねえ」という場合

まだ、もうちょっとあるぞ…ハァハァ
/a/ と /i/ がくっついて /ee/ になる事は世界的にはよくある事だが、「じゃない。」を「じゃねえ。」という人がいる。
ただし日本語でこういうしゃべり方をすると、だらしないと感じる人もいるので注意。
「じゃねえ?」が反語である場合は、さらに縮まって「じゃね?」になることもある。

アクセントによる意味の違い

また勧誘表現である場合でも「行かない?」を縮めて「行かね?」と言うことがある。

【付録1】ですます体との対応表

余談だが、ちびっ子にとっての「ふろく」とは「ハサミでチョキチョキ切る物」のことらしい。
国語辞典の巻末付録「封筒の書き方」をチョキチョキしたいなんて言い出した時は、まいった。
話し言葉書き言葉丁寧語 略式丁寧語 正式
じゃん。
じゃない。
じゃないか。
ではないか。じゃないですか。ではありませんか。
じゃないだろうかではないだろうかじゃないでしょうかではありませんでしょうか
じゃないかなではないかなじゃないですかねではありませんかね
じゃないの
じゃないのか
ではないのかじゃないんですか
じゃないのですか
ではないのですか
文の形が「ではないか」「ではありませんか」に近い物ほど文語的になる。
使い分けを気にするなら口語的か文語的かに気をつけるといい。

【付録2】肯定的な勧誘表現

自殺対策に参画しやすい機会を増やそうではありませんか。
「動詞の意向形+ではないか」という構文。
選挙演説なんかで聞くこと有るなあと思ったから、いちおう紹介しておく。
「人生一度きり、楽しんでやろうじゃん(平手友梨奈)」みたいに、くだけた形も有るには有るが、それほど頻繁に使うわけでもないので、おまけで紹介するにとどめる。
ストレートに意向形だけを使った場合とは異なり「私ならこう考えます」という意味が加わるので、ただちに行動に移すのではなく提案までに留まっている。

【付録3】反語になる物、ならない物

音声では「な」の部分のアクセントで区別できるが、文面ではそうもいかない。
ただし、綴り方から判断する手がかりも多少あるので、最後にそれを確認してみる。
もしも話し手の年齢や性別による差が多少あったとしても、100%使う使わないと言い切れない以上、キャラ設定によって文章を読み解くのはあまり現実的でない。
下手な教材だと男性的か女性的かにすごくこだわっているみたいだけど、そこを気にしても実益が無いし、逆に文法理解に差し障るので…

乃木坂46の歌「泣いたっていいじゃないか」の歌詞の一部に「幼かったあの頃より強くなったわけじゃない」とある。
どっちが肯定文でどっちが否定文か分かるかな?


肯定文否定文弱い反語強い反語
(終止形)〜100%0%0%0%
〜じゃん。100%0%0%0%
〜じゃね。0%0%100%0%
動詞や形容詞の終止形に直接つなげてある場合は100%肯定文だと言い切れる。
「じゃん」「じゃね」という縮約形も非常に簡単で、どんな時だろうと前後に何がくっつこうと否定文の可能性は無い。

上の3つに当てはまった場合は、ここから下に並んでいる確率表は一切関係ない。
ここから下はもっぱら「名詞」「連体節+の」「連体節+ん」の後につなげる場合の話になる。
なお「弱い反語」「強い反語」の場合はクエスチョンマークを付けてくれると、より分かりやすい。

肯定文否定文弱い反語強い反語
〜じゃない。8%46%23%23%
〜じゃねえ。0%50%25%25%
〜ではない。0%100%0%0%
〜ないです。0%80%10%10%
〜ありません。0%80%10%10%
これらの反語表現で「か」が欠落するのはタメグチの「じゃん。」と「じゃない。」の2つだけで、それ以外の文体では「か」という助詞が必要になる。
例えば、書き言葉の「ではない。」丁寧語の「じゃないです。」だけだと普通に否定文になる。
(一般的に疑問文で「か」が欠落するのはパンマルだけだが、丁寧語の疑問文で「〜じゃないです?」と言う人もたまにいる)
いっそのこと肯定表現は「じゃん。」で統一してくれた方がわかりやすいんだが、今のところ肯定表現の「じゃない。」はリアルの会話でも現役。
ただ普通「猫じゃない。」と書いたら否定文であることを期待するので、「名詞+じゃない」のパターンを下手に肯定文の意味で使わない方が良い。
まあ、どうせ音便化させるなら「じゃん」を使うので、「じゃねえ」を肯定文で使うことはあんまり無いだろうと…

肯定文否定文弱い反語強い反語
名詞 + では。0%25%75%0%
名詞 + じゃ…0%25%75%0%
「の」とか「ん」も名詞として扱うが、反語の「名詞 + ではないか?」は省略して「〜では。」にすることが多い。
否定詞の「ない」まで言わずに途中で切れてる文章は、傾向としては反語が多い。
ただし三点リーダを使う場合などは特に、否定文を途中まで言いかけてる可能性も残るので注意。

肯定文否定文弱い反語強い反語
〜じゃんか。100%0%0%0%
〜じゃないか。25%25%25%25%
〜じゃねえか。25%25%25%25%
〜ではないか。25%25%25%25%
〜ではないですか。25%25%25%25%
〜じゃないですか。25%25%25%25%
〜ではありませんか。25%25%25%25%
パンマルの場合は、疑問の「か」を付けても付けなくてもたいして意味は変わらないので、「じゃん」と「じゃんか」は同じだと思っていい。
そもそもなんで肯定文の意味になってしまうのかと言うと、「か」の本来の性質が疑問文だからである。
疑問文というのは、肯定・否定の判断を完全に読者に委ねてしまう物だから。

肯定文否定文弱い反語強い反語
〜じゃんかよ。100%0%0%0%
〜じゃないかよ。100%0%0%0%
〜じゃねえかよ。100%0%0%0%
「否定文+かよ」「疑問文+かよ」という用例が存在しないため、これは100%肯定を表すことになる。

肯定文否定文弱い反語強い反語
〜ないかな。0%50%25%25%
〜ねえかな。0%50%25%25%
〜ないですかね。0%50%25%25%
〜ありませんかね。0%50%25%25%
「かな」という語尾表現は判断を迷う意味があるため、純粋に肯定するような意味にはならない。

肯定文否定文弱い反語強い反語
〜ないだろうか。0%0%100%0%
〜ないでしょうか。0%0%100%0%
これは案外わかりやすく、「じゃないでしょうか」と言った場合は100%の確率で弱い反語になる。

肯定文否定文弱い反語強い反語
〜じゃないの。4%48%24%24%
〜じゃねえの。0%50%25%25%
〜ではないの。0%50%25%25%

平叙文の肯定表現「じゃないの。」については廃れたと説明したが、奇抜な言い回しを好んで使う人も皆無ではない。
「じゃないの」系は、単なる否定文・否定疑問文の場合も反語表現の場合も同じぐらい有り得るので注意。

肯定文否定文弱い反語強い反語
〜ないのか。0%50%25%25%
〜ねえのか。0%50%25%25%
〜ないのですか。0%50%25%25%
〜ないんですか。0%50%25%25%
正直な気持ち、平叙文の肯定表現「じゃないの。」は誤用として切り捨ててしまいたいんだけどな(笑)

肯定文否定文弱い反語強い反語
〜ないのかよ。0%50%0%50%
〜ねえのかよ。0%50%0%50%
〜ないのかな。0%50%25%25%
〜ねえのかな。0%50%25%25%
〜ないのですかね。0%50%25%25%
〜ないのだろうか。0%50%25%25%
〜ないのでしょうか。0%50%25%25%
この場合、「の」の所は音便化して「ん」になることも多い。
「かよ」という語尾表現は少しひねくれ者だが、基本的に「じゃないの」「じゃないんですか」系は否定文と反語文とで確率が半々に分かれるようだ。

肯定文否定文弱い反語強い反語
〜じゃないよ。0%100%0%0%
〜じゃないね。2%98%0%0%
〜じゃないと。0%100%0%0%
〜じゃないけど。0%100%0%0%
〜じゃないだろう。0%100%0%0%
〜じゃない猫。0%100%0%0%
意外と大事だけど、「じゃない」が肯定表現・反語表現として働くのは文末だけ。
一部の例外「の」「か」「かな」「だろうか」「でしょうか」などを除いて、別の品詞が後につながってる場合は単純に否定文だ。

ただし、使用頻度の高い間投助詞「ね」を肯定表現「じゃない」の後に並べてしまう事も、可能性としては有り得る。
分かりやすくするなら「じゃない」と「ね」の間にはコンマを入れてしまいたい。

ネット上では「日本語は逆の意味で捉えなければいけない」みたいに言われてるけど、あれは真に受けないようにしてください。よほど特別な事情がない限りは、あくまでも文字通りに解釈する事を原則としてください。
「別に嫌いなわけじゃないからね」は肯定文で「嫌いだ」を意味する…とか、そういう変な事は考えないでね。
それはただウソをついてごまかしてるだけの物だから、あくまでも否定文として解釈しないと、おかしな事になる。


肯定文否定文弱い反語強い反語
〜なかった。0%50%0%50%
〜なくて。0%100%0%0%
〜なければ。0%100%0%0%
過去形・連用形・仮定形などの場合も単なる否定文にしかならない。
もちろん疑問文の「〜じゃなかった?」なら反語表現もありえるが、それは純粋に疑問文の性質から来る物にすぎない。

「日本語イコール曖昧」だとする風潮もある中で、あえて空気を読まず「100%」だと言い切っちゃってるのは、我ながら笑えますな、ふふっふっふっ…



最後に、ちょっとイジワルな例文もあげちゃおう。
子ども「お菓子かし もっと べたい。」
母親「もっと べたい じゃない。 ゆうはん、 べられなく なっちゃうぞ。」
うん、これは「終止形接続+じゃない」ではなく「直接話法」なのだよね。
「もっと食べたい」という引用文をひとかたまりの名詞句として扱い、それを否定している文章になる。

以上、「行間を読め」みたいな所も多かったが、少なくとも反語大好き中国人との間では「お互い様だよね」と思っているよ(笑)

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