日本語のアクセントを法則で覚える (3)

一拍名詞

以下、アクセントの違いはテーブルの列で分ける。
あがる↗︎さがる↘︎
胃を痛める意を決する / 異を唱える
鵜を飼う
絵を描く
尾を振る
蚊を見つける課を訪ねる
気をつける木を植える
句を詠む苦になる / 区を訪ねる
毛を抜く
子を持つ弧を描く / 個を重んじる
具を乗せる
五を選ぶ
差を縮める
詩を読む死を迎える / 師を仰ぐ / 市を訪ねる
素が出る酢を混ぜる / 巣に入る
背を向ける
座を奪う
痔を治す字を書く
図を描く
しゃ社を訪ねる
しょ書を楽しむ / 署を訪ねる
血を止める地を這う / 知を深める
手をあげる
戸を開ける都を訪ねる
度を越す
名を連ねる
二を選ぶ
葉を落とす歯を磨く / 刃を研ぐ
日が昇る / 碑を建てる火をつける / 非を認める
負をもたらす / 府を訪ねる
屁をこく
場を設ける
美を求める
部を訪ねる
実がなる / 身を隠す
無に帰す
目をつぶる / 芽を出す
矢を射る
夜を徹する / 世を知る
輪になる / 和を重んじる

二拍名詞

アクセントにこだわりたい人のために「NHK日本語発音アクセント新辞典」という本も売られているし、オンラインのアクセント辞書もある。
こういうサイトも有ったりするね。
ここではアクセントによって意味が変わり得る単語だけを載せて、あとは全部省略する。
本当のところ、同じ地域に住んでいても個人差が大きい。

あ行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
あか赤で塗る垢を落とす
あき秋になる空きがある
あく悪を討つ灰汁を取る
あさ朝になる麻を編む
あし葦が育つ足を伸ばす
あじ鯵が泳ぐ味を見る
あめ雨が降る飴をなめる
あり有りだ蟻がいる
あわ粟を植える泡が立つ
いか以下を参照イカが泳ぐ
いき息を吐く行きは快速 / 生きが良い
いし意思を示す / 医師を志す石を拾う
いじ体力の維持を意地を張る
いち位置を確かめる一を選ぶ
いま今が旬だ居間で休む
うき雨季に入る浮きが浮かぶ
うみ海が見える膿を出す
うり瓜を育てるそこが売りだ
※ 金額を言う「○○円」は基本的には尻下がりで良いが、個人差がある。特に「百円」「一万円」は(ある意味、一般名詞に似た扱いである事から)平板型アクセントとして定着している。

か行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
かい貝を拾う / 会に出席 / 次の回に / ○回でいい / 上の階にこれは買いだ / ○階に住む
かき牡蠣を養殖垣を越える柿を食べる
かく核である格が違う
かさ傘を差す嵩が増す
かし歌詞を覚える / 菓子を食べる貸しを返す
かた肩を叩く型が合う
かち価値がある私の勝ちだ
かま鎌で切る釜でごはんを炊く
かみ神に祈る紙を折る / 髪を洗う
かめ亀が歩く甕に入れる
かり狩りをする仮だ / 借りを返す
かん缶を捨てる○○感がある / 勘がいい
きし騎士になる岸を削る
きじ生地をこねる / 記事を書く雉が飛ぶ
きしゃ記者として働く汽車が走る
きみ気味が悪い君に届け / 黄身を食べる
きりきりがない霧がかかる
くし駆使する櫛でとかす / 串を刺す
ここ個々を重んじるここに置く
こと琴を奏でる / 古都を訪ねるいい事がある
きゅう9にする / 級が上がる / 球になる急に動き出す
きょく局を訪ねる曲を聴く
※ 回数を言う「○○回」は原則として中高型アクセントだが、副詞のように用いる時は尻上がりになる。建物の「○○階」は必ず平板型。

さ行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
さけ鮭が泳ぐ酒を飲む
さん酸を中和する三を選ぶ
しそ始祖だ紫蘇を育てる
しろ白で塗る城を建てる
すき好きだ隙がある
すみ隅に寄せる炭を焼く / 墨をつける
せき席に座る咳をする
じき時期を迎える / 磁気を帯びるじきに出来上がる
ぜん前大統領 / 全世界禅を組む
そり橇で滑る反りを直す
じゅん準主役順に始める

た行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
たき多岐にわたる滝がある
たび足袋を履く旅をする
ちり地理を学ぶ塵を吸い込む
つゆ汁を飲む梅雨に入る
てん貂が歩く / 天を仰ぐ点をうつ
とき鴇が飛ぶ時が経つ
とし都市を訪ねる年が明ける
とち栃を植える土地を耕す
※回数を言う時の「1度、2度」は(ある意味、副詞に似た扱いである事から)尾高型アクセントとして定着している。ただし、3度から先、および、温度を言う場合はすべて尻下がりアクセントになる。

な行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
なし無しだ梨を食べる
にじ二時になる虹が出る
にわ二話を読む / 二羽の鳥庭がある
のう脳を鍛える能を演じる
のり海苔を食べる / 糊を塗るノリがいい

は行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
はいはい、そうです。肺で呼吸をする / 灰になる
はし箸で食べる橋を渡る端をつかむ
はじ恥をかく端をつかむ
はち鉢に植える / 八を選ぶ蜂が飛ぶ
はな花が咲く鼻で匂いをかぐ
はり針を刺す張りが弱い
はれ今日は晴れだ腫れがひく
ひび日々を過ごす罅が入る
ひる蛭がいる昼になる
ひょう雹が降る / 豹が走る表にまとめる
ふく福が来る服を着る
ふし不死の薬節がある
ふじ富士の山藤が咲く
ふり不利になるふりをする
へい兵を派遣する塀を越える
へりへりを付ける減りが早い
へん変だその辺にある
ほう山の方を向く法に従う
ばらバラで購入する薔薇を植える

ま行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
みち未知である道を進む
むし無視をする虫がいる
むら村を訪ねる色むらがある
もと元に戻す元をたどる
もも腿を鍛える桃を食べる

や行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
やく約一週間役に立つ
ゆき雪が降る行きは快速
よう鳥の様に自分用に

ら行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
れい例を挙げる / 礼をする / 霊がさまよう礼を言う

わ行

頭高型↘︎尾高型↗︎↘︎平板型↗︎
わし和紙で作る鷲が飛ぶ

二拍の動詞

*印の付いている物は一段活用。
*印の付いていない物は五段活用。
あがる↗︎さがる↘︎同音の平板型↗︎同音の尾高型↗︎↘︎同音の頭高型↘︎
あう人に会う / 形が合う愛(あい)
あく扉が開く相手(あいて)悪(あく)、秋(あき)
あむ毛糸で編む飴(あめ)網(あみ)雨(あめ)
ある何か有る蟻(あり)、あれ
いう何か言う家(いえ)いい
いく遊びに行く池(いけ)息(いき)
いるここに居る* / これが要る矢を射る* / 豆を煎る板(いた)
うく水に浮く受け(うけ)雨季(うき)
うつ釘を打つ家(うち)鬱(うつ)
うむ卵を生む傷口が膿む梅(うめ)有無(うむ)、海(うみ)
うる物を売る瓜(うり)
える利益を得る*絵(え)
おう後を追う / 責任を負う甥(おい)、追っ手(おって)王(おう)
おく物を置く沖(おき)奥(おく)、桶(おけ)
おすボタンを押す雄(おす)
おる紙を折る俺(おれ)檻(おり)
かう物を買う猫を飼う勝手(かって)貝(かい)
かく説得力を欠く字を書く / 背中を掻く格(かく)、柿(かき)賭け(かけ)核(かく)、牡蠣(かき)
かぐ匂いを嗅ぐ鍵(かぎ)家具(かぐ)
かす本を貸す / 暴徒と化す税金を課す枷(かせ)粕(かす)、歌詞(かし)、菓子(かし)
かつ試合に勝つ勝手(かって)糧(かて)カツ、価値(かち)
かむ鼻をかむガムを噛む紙(かみ)、髪(かみ)神(かみ)、亀(かめ)
かる草を刈る仮(かり)、勝手(かって)狩り(かり)、彼(かれ)
きく話を聞く / 薬が効く菊(きく)危機(きき)、機器(きき)
きる服を着る*紙を切る北(きた)
くう燃費を食う悔い(くい)杭(くい)
くむ水を汲む腕を組む
くる遊びに来る*北(きた)恋(こい)、鯉(こい)
けす火を消す芥子(けし)
けるボールを蹴る
こう許しを請う
こぐ舟を漕ぐ焦げ(こげ)
こす限度を超す / 液体を漉す腰(こし)
こむ道が混む米(こめ)
こる肩が凝る
さく花が咲く布を裂く / 時間を割く先(さき)、酒(さけ)柵(さく)鮭(さけ)
さす針を刺す / 指を差す
さる職場を去る猿(さる)
しく布団を敷く式(しき)、四季(しき)
しぬ黴菌が死ぬ
しるわけを知る尻(しり)汁(しる)
すう息を吸う
すく髪を梳く好き(すき)
すむ町に住む / 用事が済む / 水が澄む炭(すみ)隅(すみ)
する勉強をする*マッチを擦る城(しろ)下(した)、舌(した)白(しろ)
そぐやる気を削ぐ
そるひげを剃るそれ橇(そり)
たくごはんを炊く滝(たき)、竹(たけ)
たすお湯を足す
たつ上に立つ / ビルが建つ / 時間が経つ / 関係を断つ竜(たつ)、盾(たて)
ちる花びらが散る塵(ちり)
つく家に着く / 何かが付く / 仕事に就く月(つき)、ツケ
つぐ後を継ぐ / 酒を注ぐ次(つぎ)
つむ石を積む / 花を摘む爪(つめ)罪(つみ)
つる魚を釣る連れ(つれ)鶴(つる)
とう真意を問う塔(とう)
とく問題を解く / 教えを説く得(とく)時(とき)朱鷺(とき)
とぐ包丁を砥ぐ棘(とげ)
とぶ鳥が飛ぶ
とる物を取る鳥(とり)、取手(とって)
だく猫を抱く
だす物を出す出汁(だし)
でる部屋を出る*
どく場所をどく毒(どく)土器(どき)
なく誰かが泣く
なる鈴が鳴る大人になる
にる鍋を煮る* / 人に似る*
ぬう服を縫う鵺(ぬえ)
ぬく棒を抜く
ぬぐ服を脱ぐ
ぬる色を塗る
ねるベッドで寝る*水飴を練るネタ
のくそこをのく軒(のき)
のす皺を熨す
のむ水を飲む蚤(のみ)
のる車に乗る海苔(のり)、糊(のり)
はう地面を這う灰(はい)、蝿(はえ)
はく靴を履くげろを吐く / ほうきで掃く
はぐシールを剥ぐ禿(はげ)
はるシールを貼る / 糸を張る腫れ(はれ)晴れ(はれ)春(はる)
ひく扉を引く
ふく机を拭く息を吹く蕗(ふき)服(ふく)、フケ福(ふく)
ふす地面に伏す節(ふし)
ふむ足で踏む文(ふみ)
ふる棒を振る雨が降る
へる体重が減る歴史を経る*蔕(へた)下手(へた)、縁(へり)
ほす布団を干す星(ほし)
ほる穴を掘る堀(ほり)
ぶつ頭をぶつ斑(ぶち)
ぶるいい人ぶる鰤(ぶり)
まう踊りを舞う前(まえ)
まく糸を巻く種をまく薪(まき)、負け(まけ)幕(まく)、膜(まく)
ます勢いを増す真下(ました)、マス
まつ人を待つ町(まち)松(まつ)
まるうんこをまる丸(まる)、鞠(まり)
みる上を見る*
むく前を向く / 皮を剥く
もつ物を持つ餅(もち)
もむ肩を揉む樅(もみ)
もる土を盛る森(もり)
やく芋を焼く訳(やく)約(やく)
やむ雨が止む心を病む闇(やみ)
やる勉強をやる槍(やり)
ゆうなにか言う髪を結う
よう酒で酔う宵(よい)良い(よい)
よぶ人を呼ぶ予備(よび)
よむ本を読む嫁(よめ)
よる店に寄る / 場合に依る縄を縒る夜(よる)
わくお湯が沸く / 水が湧く枠(わく)、脇(わき)訳(わけ)
わるガラスを割る悪(わる)、我(われ)

三拍動詞の同音異義語

アクセントの違いがある物。
あがる↗︎さがる↘︎
かける歯が欠ける*布団を掛ける*
こえる山を越える*畑が肥える*
うえる木を植える*愛情に飢える*
くわえる砂糖を加える*口に咥える*
うれる本が売れる*果物が熟れる*
しめる布が湿る窓を閉める*
しずめる水に沈める*怒りを鎮める*
つけるソースに漬ける*飾りを付ける*
ならす鈴を鳴らす体を慣らす
まかす相手を負かす仕事を任す
かえる形を変える*家に帰る

アクセントの異なる同音異義語ベストセレクション

既に上の方で紹介した物を除き、本当によく使う物だけを選んで載せていく。
すごく多いというほど多くないかもしれないけどね…実は。
頭高型中高型尾高型平板型
あたりこの辺りにある当たりが出た
あらし嵐が来る荒らしを防ぐ
いいやまあいいや。いいや、違う。
いがいそれ以外には、意外と難しい
いじょうそれ以上ある異常が生じる
いつかいつか行ってみたい5日にする
いっぱい1杯飲むいっぱいある
いない5日以内に届く誰もいない
いらいそれ以来見てない依頼が来る
えんぎ演技がうまい縁起がいい
えんちょう園長さん延長する
かんじ幹事を任される漢字を書く / 感じがいい
きげん期限が近づく機嫌がいい
きのう役に立つ機能昨日は寒かった
けーきケーキを食べる景気がいい
けんとう見当がつく検討する
こうかいあとで後悔する作品を公開する
こうじょう大きな工場がある体力が向上する
こしょう胡椒をかけるパソコンが故障する
さいかい順位は最下位だった営業を再開 / 友人との再会
しかく四角を描く資格が必要
じてん漢字辞典 / その時点では地球の自転
じどう保育園の児童たち自動で開く
しめい使命を全うする / 氏名を記入する議長に指名する
しょうがい生涯にわたり、障害がある
じしんそれ自身自信を持つ / 地震が起きる
そんちょう村長のあいさつ意見を尊重する
でんき電気がつく伝記を読む
ちょうせん朝鮮の焼き物挑戦する
てんしょく天職だと思う転職する
にじゅう数字の20二重に登録されている
にほん2本ある日本に帰る
にんき大統領の任期が長い若者に人気がある
ほそく線を細くする説明を補足する
みかた見方を工夫する味方になる
むこう向こうに見える無効になる
ゆうせん有線でつなぐ優先する
ようじつま楊枝を使う用事で出かける


その他、アクセントで意味が変わり得る単語は次のような物もあるが、ほとんどニュース用語とかフォーマルな表現なので優先度は多少低くしてもいい。
(意見・違憲)(遺体)(以降・移行)(以前・依然)(回避・会費)(開放・介抱)(過程・仮定・家庭)(完成・閑静)(期間・帰還)(企業・起業)(貴重・機長)(究極)(吸収)(器用・起用)(宣誓)(口調・区長)(敬語・警護)(警報・刑法)(剣道・県道)(郊外・公害)(交互・口語)(講師・格子)(後世・公正)(豪勢・合成)(傘下・酸化)(産後・珊瑚)(参考)(歯科)(死骸・市街)(師匠・支障)(竹刀・市内)(勝者・照射)(承知・招致)(象徴・小腸・省庁)(商人・証人・承認)(上部)(書道・初動)(新設)(生死・精子・静止)(西洋・静養)(先代)(銭湯・先頭・戦闘)(増産)(総量・送料)(助詞)(誓い)(地殻)(注視・中止)(動詞)(荷台)(卵子・乱視)(夜間)(明治・明示)(名車)(卑怯・秘境)(不快)(閉店・弊店)(無垢)(慈悲・自費)(晩)(宵)(欲)(訛りが・鉛が)(イクラ)(クラス)


三拍以上の単語では「声調による意味の区別」という役割が薄れてくるけど、それでもあんまりアクセントが違いすぎると聞き取りにくい。
もし分からなければ、まっすぐな音で発音すればだいたい通じるし、とりあえず上がり口調にすれば「まぐれ当たり」を狙いやすい。

参考



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